日本女子サッカーのプロリーグ構想が実現にむけ、ようやく動き出した。日本サッカー協会が11日の理事会で設立準備室の設置を決議し、関係者によると、早ければ2021年秋のスタートを目指す。ただ、現状の集客は低調で、世間への露出も少ない。いくつもの困難が待ち受けるが、妙案は見つけられるか。

 「前向きに考えていきたい」。日本協会の須原清貴専務理事は11日の理事会後の記者会見で、女子のプロリーグ発足へ、そう話した。現行の日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)をプロ化するか、別の新リーグを立ち上げるかを含めて検討する。

■8チーム程度を想定

 関係者によると、プロリーグは8チーム程度を想定。開催時期は現行の春開幕ではなく、欧州の各リーグと同じように秋に開幕し、春に終える案が挙がる。協会幹部は「新しく始めるタイミングなら挑戦しやすい」という。

 歴史的な一歩を踏み出し、選手からは歓迎の声が上がった。なでしこリーグの千葉に所属するFW大滝麻未(29)は「プロ化すれば、女子サッカー選手の受け皿が増える。すごく良いニュース」と喜んだ。

 日本はワールドカップ(W杯)の2011年大会で初優勝を飾り、15年大会は準優勝。だが、16年リオデジャネイロ五輪はアジア最終予選で敗れ、先のW杯フランス大会は16強に終わった。国内リーグが盛んな欧州勢のレベルが上がった一方、日本は世代交代を図ったが、伸び悩んでいる現実を突きつけられた。

 今回のプロ化はリーグのレベルを底上げし、代表の強化につなげるのが狙いだ。協会幹部は「今は頭打ちの状態。何かを変えないと大きな成長はない」と危機感を語る。