米南東部を襲う大型ハリケーン「ドリアン」をめぐり、トランプ米大統領が自分の発言に合致するよう、進路予想図に黒のサインペンで「加筆」していた疑惑が持ち上がっている。米メディアなどは、サインペンのメーカー名をとって「シャーピー疑惑」と揶揄(やゆ)している。

 発端はトランプ氏による1日のツイート。接近中のドリアンについて、大西洋沿岸のフロリダ州やサウスカロライナ州などに加え、西に位置するアラバマ州も「予想以上にひどく被害を受ける」と書いた。

 米国立気象局のアラバマ州の事務所は直後にツイッターで「アラバマはドリアンの影響はほとんど受けない」と打ち消したが、トランプ氏はその後もアラバマに言及を続けた。

 米メディアで「大統領のツイートが不正確だ」という指摘が出るなか、トランプ氏は4日になってホワイトハウスで記者団に対し、国立ハリケーンセンターの初期の進路予想図を示しながら自分が正しいと主張。ところが、通常の進路予想図は白で描かれているのに対し、トランプ氏が手に持っていた予想図では、アラバマ州の周辺に向けて黒のサインペンで加筆された跡があった。