茨城県の常磐道であおり運転をしたとして摘発された車に乗っていた「ガラケー女」とのデマをネット上で流されたとして、愛知県豊田市議を訴えた東京の会社経営の女性の代理人弁護士が31日、都内で会見した。市議が和解の意向を示していることを明らかにした上で、「応じるつもりはない」と話した。

 市議は原田隆司氏(57)。女性の提訴後、原田氏は29日に自らのフェイスブック上で女性に謝罪する動画を投稿。30日には豊田市役所で会見を開き、提訴されたことで批判や無言電話を相次いで受けたとし、「(女性の気持ちを)身に染みて感じた」などと陳謝した。だが、女性は「過失があって非難が殺到するのと、いわれもない中傷をされた私とは全く質が違う」と憤っているという。

 原田氏は会見で、女性が提訴するまでの間に「(代理人弁護士に)繰り返し電話したがつながらなかった」などとしたが、弁護士は「そうした事実はない」と反論。女性は不信感を強めているといい、「気持ちが高ぶってしまう」としてこの日の会見には出席しなかった。

 弁護士によると、これまでにツイッターの投稿者などと7件の和解が成立している。今後も発信者が特定できれば、提訴する方針。

 訴状などによると、原田氏は自らのフェイスブックに、事件とは無関係の会社経営の女性を加害者の男の車に同乗していた「ガラケー女」として掲載。「早く逮捕されるよう拡散お願いします」などと書き込んだ。女性は名誉を毀損(きそん)されたとして、慰謝料100万円を求めている。(新屋絵理)