「交通事故って、イコール、地獄のことなんだ」。当時10歳だった長女のえみるさんが交通事故で亡くなってまもなく13年。タレントの風見しんごさん(57)が、えみるさんと同じ1996年生まれの記者(23)のインタビューで、これまでの苦しみや葛藤、事故ゼロへの思いを語った。

 ――2007年1月17日、朝食に大好物だった母親のツナサンドを食べ、家を出たえみるさん。数分後、青信号で横断歩道を渡っていたところ、交差点を右折してきた3トントラックにひかれ、10年間という短さで生涯を閉じました

 不思議なものですね。今でも命日に同級生だった子たちがお線香をあげに来てくれることがあるんですが、その子らが22~23歳になっている。想像できないんです。えみるの遺影は10歳のままじゃないですか。友だちが、えみるに向かって就職が決まったんだと報告してくれているわけですよ。それを背中から見ているとすごく不思議です。22~23歳が10歳に向かって「えみるが就活を応援をしてくれたんでしょ。ありがとうね」って。

 ――私は今年4月に新聞記者になり、この半年間、北海道で結成20年を迎えた「交通事故被害者の会」を取材してきました。「この苦しみを私たちで終わりに」と本気で願う人たちがいる一方で、事故経験が無い人には交通事故の残酷さがなかなか伝わらない難しさも感じます