エスパー米国防長官は2日、国防総省で記者団に対し、イランや親イランの武装組織が米国に対する追加攻撃を計画している可能性があるとした上で、「もし攻撃の通告や何らかの兆候があれば、米軍や米国人の命を守るために先制攻撃を行う」と述べた。米国からの攻撃も辞さない考えを強調し、イランなどを牽制(けんせい)した形だ。

 エスパー氏は「彼らが追加攻撃を計画している可能性を示す、いくつかの兆候がある」と語ったが、具体的には明らかにしなかった。「局面は変わった。我々は米国人や、地域における国益、パートナー国を守るために必要なことをする用意がある」と語った。

 米軍は昨年12月末、イラク国内の基地への攻撃で米国人が死傷したことへの報復として、イスラム教シーア派武装組織への空爆を実施。31日には、この空爆に抗議するシーア派民兵らがイラクの首都バグダッドの米国大使館前で大規模デモを行い、大使館を囲む壁に放火したり、投石したりした。この事態を受け、米国は約750人の米軍部隊を中東地域に増派すると発表していた。(ワシントン=渡辺丘)