パリ郊外の日本食レストランの店先に「コロナウイルス 消え失せろ」などとフランス語で差別的な落書きがされる事件があった。仏紙パリジャンなどが報じた。フランスでは新型コロナウイルスの感染拡大以来、アジア系住民への差別的な発言が報じられている。

 同紙などによると、パリ郊外のブーローニュ・ビヤンクールの日本料理店「Yuki」の近くを通りかかった人が16日朝、窓ガラスの落書きに気づいて警察に通報した。

 経営者は中国出身者といい、経営者のおいは同紙に「おじは20年間店で働いてきたが、客から差別を受けたことはなかった。(新型ウイルスに関連した)差別は始まったばかりで、心配している」と語った。

 フランスでは1月以来、「病気と一緒に家にこもってろ」と暴言を浴びせるなどの新型肺炎にこじつけたアジア系住民への差別が報じられている。1月には地方紙「クーリエ・ピカール」が1面で感染拡大を「黄色警報」という見出しで報じ、黄色人種にかこつけて差別を助長するものだとして釈明に追い込まれた。