痩身(そうしん)効果をうたった健康食品の表示に合理的根拠がないとして、消費者庁は19日、通信販売会社「TOLUTO」(東京都渋谷区)に景品表示法違反(優良誤認)で再発防止などを求める措置命令を出した。この健康食品は下痢などの健康被害が急増しているとして、消費者庁が昨年9月に注意喚起していた。

 商品は「ケトジェンヌ」。消費者庁によると、同社は昨年8月、自社のウェブサイトでウエストがくびれた人物の写真とともに複数の栄養素などを挙げ、「ケトン体質に切り替える」などと容易に痩身効果を得られるかのような表示をした。消費者庁が根拠となる資料の提出を求めたところ、個々の栄養素の一般的な解説しか提出されなかったという。

 商品は昨年3月に発売。国の事故情報データバンクにはこれまで、消化器障害など721件の健康被害が報告されているという。

 同社は、顧客の意に反して化粧品の定期購入をさせようとしたとして、昨年12月、特定商取引法違反で3カ月間の業務停止を命じられている。