新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止になったNGO「ピースボート」の世界一周クルーズをめぐって、クルーズを企画運営する旅行会社「ジャパングレイス」(東京都新宿区)から客への返金が遅れるトラブルが起きている。観光庁は適切に返金するように同社に行政指導した。

 同社は取材に「経験したことのない大規模なキャンセルで、すぐに返金の対応ができなかった」と説明。乗船予定だった約1500人の大部分とは別のクルーズへの振り替えや分割による返金で合意し、約50人と話し合いを続けているという。

 ジャパングレイスによると、中止になったのは4月8、9日に横浜港から出港予定だった二つのクルーズで、代金は1人平均約200万円。感染が拡大していた3月上旬に中止を決めた。この時点で約1500人の乗船予定者がいた。