新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が鳥取など全国39県で解除された。一方で東京など8都道府県では外出自粛要請が続く。この春に鳥取県人寮(東京)を出て一人暮らしを始めた東大院生で民放テレビのクイズ番組「東大王」で活躍中の鶴崎修功さんに、東京での暮らしなどを聞いた。

 ――どんな生活を送っていますか

 外に出ないことを徹底しています。外に出たのはゴミ出しと病院に2回薬をとりに行ったときぐらい。今後は薬もオンライン診療で処方箋(せん)を出してもらうつもりです。

 買い物は、宅食サービスやアマゾンといった通販で極力済ませます。健康が一番大事だと思っているので、自宅で筋トレのゲームで運動もします。走る代わりにスクワットをすれば音が近所に響きません。

 ――大学院の勉強やクイズ番組の収録はどうですか

 数学科なので実験はなく、ペンとノートとパソコンがあれば何とかなりますが、図書館に行けないので本が手に入らない。一番必要な本は電子書籍で入手できたのですが、参照したい文献や論文が紙でしか手に入らないことがある。勉強の効率はコロナ前の8割ぐらいになりました。

 クイズ番組は、オンラインの生放送にすでに2回出演しました。通信の切断やタイムラグといった問題はありますが、オンライン通話には慣れていますし、家で座ってゆっくりできるのでラクです。

 ――実際に外出自粛生活を送ってみて思うことは

 外に出るか出ないかのバランスをとるのは難しいな、と。太陽を浴びず引きこもっていると気がめいってくる。他の人と話していると、食事や仕事など外に出ないといけないときもあるようです。けれど、法律で外出の可否の基準が決まっているわけではなく、何が正解か分からない。

 僕も8月ぐらいにクイズ大会を主催しようと思っているけれど、延期にした方がいいのかオンラインにした方がいいのか、判断がなかなか難しい。クイズみたいに正解がない問題はたくさんあります。

 ――鳥取の実家への帰省はしたくありませんか

 鳥取で感染者が確認されていない頃、実家への帰省を少し考えました。でも、新幹線など公共交通機関で移動中に感染して、鳥取県で最初の感染者になるのはイヤだなと。家のインターネット環境などが整ってくると「帰省は別にいいかな」と思うようになりました。家族とはLINEで手軽にやりとりして、鳥取からものを届けてもらっています。

 ――そもそも「コロナ疎開」が歓迎されず、県外ナンバーの車が白い目で見られるような状況についてどう思いますか

 「鳥取には感染者がいないから」と、何も考えずに観光などに来る人を白い目で見るのはある程度仕方ないでしょうが、本当に鳥取に来る必要がある人もいるでしょう。県外者だからというだけで過剰にバッシングする「コロナたたき」は違うかなと。往来の自粛要請などはパブリックな立場の人が発信するべきことだと思います。

 ――コロナ収束後に何がしたいですか

 まず学校へ行って、同期の大学院生と会い、クイズ研究会の仲間とクイズをしたい。クイズはオンラインだとタイムラグがある早押しクイズかな。元々は外に出ることが好きな方ではなかったけれど、単純にいろんなところに出かけたいと思うようになった。

 コロナ収束まで、思っているより辛抱する期間は長く続くと覚悟していますが、鳥取の方も含めみなさんと一緒にこんな状況を乗り越えられるように頑張っていきたいと思っています。(聞き手・長崎緑子)