全国各地で1日午後8時、一斉に花火が打ち上げられた。新型コロナウイルスに負けないように花火で元気や希望を届けたいと、若手職人らが企画した。観客の密集を避けるため、打ち上げ場所は事前には非公開に。47都道府県の約200カ所で、160超の業者が参加した。

 名付けて「全国一斉悪疫退散祈願 Cheer up! 花火プロジェクト」。秋田県では、盛大な花火で有名な「大曲の花火」の会場となる雄物川河畔などで、医療従事者にエールを送る青色の花火や、虹色をイメージした花火が打ち上げられた。東京都内では調布市の多摩川河川敷などで打ち上げられ、道行く人たちが足を止めて夜空を見上げていた。

 打ち上げを手がけた「丸玉屋小勝煙火店」の小勝康平さん(38)は、「小規模だけど、終息へのシンボルになってほしい」と話した。

 静岡県では浜名湖上で、大阪市では人工島の舞洲(まいしま)でそれぞれ打ち上げられた。打ち上げの様子は各業者が撮影し、ツイッターなどにハッシュタグ「#cheeruphanabi」を付けて投稿された。

 プロジェクトは、日本煙火協会の青年部に所属する20~40代の若手花火職人ら11人が中心となって企画。「コロナ禍で暗い話題が多いなか、何か花火でできることはないか」と4月上旬からテレビ会議などで議論を重ね、全国の業者も次々と参加を表明していた。