政府は19日、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を撤回する方針を固めた。来週中に国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合で撤回の方向性を確認。NSCで9月までに陸上イージスに代わるミサイル防衛などについて議論したうえで、年末にも防衛計画の大綱(防衛大綱)、中期防衛力整備計画(中期防)を見直して正式決定する。

 政権幹部が明らかにした。安倍晋三首相は18日の記者会見で、陸上イージス配備計画の停止を受け、安保戦略のあり方を今夏に集中的に議論し、新方針を打ち出すと表明していた。

NSCでの議論は6月下旬から始め、概算要求の締め切りとなる9月末までの間に集中的に行う。NSCで決めた方向性を踏まえ、政府は今秋にも有識者による懇談会を設置し、国家安全保障戦略(NSS)の初改定に向けた議論を本格化させる。有識者懇談会の結論を受け、年末にもNSSを改定。「ミサイル防衛」「ポストコロナ」「経済安全保障」の三つが改定の柱になるという。