第73回秋季県高校野球大会は27日、準決勝2試合が清原球場であり、石橋と国学院栃木が決勝進出を決めた。来春の選抜大会出場への重要な選考材料になる関東大会は10月24日から千葉県であり、石橋は4年ぶり2回目、国学院栃木は3年ぶり7回目の出場となる。決勝は30日午前10時から同球場で開かれる。

■作新学院―石橋

 石橋は六回、1死満塁から石川が三塁打で走者を一掃、一気に逆転した。作新学院は一回、池沢の二塁打で先制こそしたものの、二回以降は内野ゴロ14、三振4を数える迫力を欠いた攻撃で、七回まで三者凡退を繰り返した。

■国学院栃木―青藍泰斗

 ノーシードの国学院栃木は三回、加藤の本塁打で先制、四回には佐鳥の三塁打など5長短打を集めて一挙5点を挙げた。昨年の秋季県大会優勝の青藍泰斗は六回、石下の適時二塁打などで3得点と食い下がったが、届かなかった。

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 石橋のエース篠崎晃成投手(2年)が強豪打線を4安打に抑えた。

 初回、二塁打を浴びて先取点を許した。「スライダーが真ん中に入って甘くなってしまった」。二回以降は修正し、初球のストライクから積極的に振ってくる作新に対して、腕を振って丁寧に球を低めに集め、内野ゴロの山を築いた。

 「行けるところまで全力で行こう」と投げた。さすがに終盤は疲れたが、「周りの応援に支えられて投げきることができた。80点」

 最速でも120キロ程度。監督に勧められ、制球をよくするために昨秋、横手投げにした。練習後も暗くなったグラウンドでシャドーピッチングを繰り返した。

 今大会の初戦からこれまで5試合すべてで先発してきた。制球力を増し、変化球にも自信が持てるようになった。「決勝ももちろん投げます」と174センチの右腕は答えた。頼もしい。(中野渉