全国でゴルフ場を経営するパシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京)のグループ会社が、東京国税局から約57億円の申告漏れを指摘されていたことがわかった。合併による企業再編が、税金の負担を減らすのが目的だったと判断された。PGM側は、処分の取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こした。

 関係者によると、グループ会社「PGMプロパティーズ」(東京)は2017年2月、同じくグループ会社の「PGMプロパティーズ4(PGMP4)」(同)と合併。約57億円の欠損金(赤字)を引き継いだ。合併などを促すための「企業再編税制」に基づく処理で、プロパティーズ社は17年3月期の税務申告で欠損金を利益と相殺し、所得を約25億円と計上した。

 一方、この欠損金は、もともとこの2社とは別のグループ会社「PGPAH6」(東京)で合併の約7年前に生じたもの。PGMP4は今回の合併直前にPGPAH6とも合併し、欠損金を「承継」していた。

 東京国税局は、PGPAH6は事実上の休眠会社で事業を行っておらず、2回の合併はプロパティーズ社への欠損金の付け替えだけが目的と判断。欠損金の引き継ぎは認められないとして、19年6月に欠損金相当額の申告漏れを指摘した。過少申告加算税を含めた法人税の追徴課税(更正処分)は約15億円。