新型コロナウイルスのワクチンの職域接種をめぐり、調整を担う河野太郎行政改革相は22日の閣議後会見で、申請時にワクチンの数を実際の接種人数よりも多く申告していた企業などがあることを明らかにした。ワクチンの廃棄など無駄遣いにつながるため、申請が適正かどうか精査しているという。

 企業や大学での職域接種は21日から本格的に始まった。首相官邸のホームページによると申請数は、22日午後5時現在、計3725会場、接種予定人数は約1450万人にのぼる。申請済みだが、精査のために70の会場が手続きを停止した。21日までに接種を始めたのは266会場で、接種予定人数は約263万人になるという。

 河野氏は「申請の中には過大な接種量を申請しているところが散見され、余剰ワクチンが相当数発生をする恐れがある」と説明した。そのうえで、「総接種量と週ごとの(ワクチンの)配送数が合わないなど、いろんな状況があるので個別に調査している」と述べた。

 また河野氏は、自治体向けの集団接種を請け負っている医療機関が、並行して企業への職域接種にも取り組む場合は、米モデルナ社製のワクチンの使用を認める考えを示した。自治体向けに供給される米製薬大手ファイザー社製との併用になるが、日時や管理の責任者を明確に分けることなどを条件として認める。河野氏は「医療機関ならば複数のワクチンをこれまでも使っている。明確に動線を分けて、やっていただいても構わない」と話した。(坂本純也)