ネット金融大手SBIホールディングス(HD)が9日、新生銀行を傘下に収める方針を示した。全国各地の地方銀行に出資して地銀連合構想を進めるなか、大手銀行の一角の新生銀行もグループ入りさせ、総合金融企業をめざす考えだ。新生銀側は株式公開買い付け(TOB)に賛同していないが、SBIは「資本の論理」で目的を果たせるのか。

 今回の買収劇には伏線とも言える動きがあった。

SBIは新生銀行と水面下で証券部門の提携を協議していたが、新生銀は今年に入り、SBIと競合するマネックス証券との業務提携を発表した。これに対しSBIは、新生銀の株主総会で出た会社提案の取締役人事案に反対票を投じた。「新生銀経営陣とSBIの北尾さんの関係は悪い」。金融庁幹部はそう関係を危惧していた。

 2000年に発足した新生銀は、経営破綻(はたん)した日本長期信用銀行が前身。1998年から公的資金の注入を受けた。約1500億円を返したが、約3500億円が未返済で、完済のめどは立っていない。