米モデルナは9日、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザウイルスに対するワクチンを同時に接種できる混合ワクチンを開発していることを明らかにした。新型コロナについては免疫を高める追加接種(ブースター)向け。現在、臨床試験(治験)の準備をしているという。

 モデルナは混合ワクチンを使うことで、「利便性が高く、医療システムのコストを削減できる」としている。新型コロナ向けはいま各国で使われているワクチンを使い、季節性インフルエンザ向けは新たに開発しているものを使う。いずれも遺伝情報を使うメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン。マウスをつかった実験で、両方のウイルスに対する抗体量の上昇が確認できたとしている。

 将来は、他の呼吸器疾患を引き起こすウイルスに対するワクチンも加えた混合ワクチンを開発し、毎年接種することを想定しているという。

 新型コロナと季節性インフルエンザの混合ワクチンをめぐっては、米ノババックスも8日、豪州で640人を対象に初期の治験を始めたと発表した。遺伝子操作したウイルスのたんぱく質を使った「組み換えたんぱくワクチン」で、来年前半に結果が出る予定という。