新型コロナウイルス対策の行動制限緩和に向けた政府の「ワクチン・検査パッケージ」による実証実験が、大規模コンサートイベントでも23日に始まった。ワクチン接種証明かPCR検査の陰性証明に加え、前日までにリモートで抗原検査の陰性を確認するという新たな試みも取り入れた。

 イベントの実証実験は、Jリーグやプロ野球では既に始まっており、スポーツ以外では初めて。千葉市の幕張メッセ国際展示場でのロックバンド「L'Arc~en~Ciel(ラルク アン シエル)」のライブで行われた。

 千葉県での開催上限となる1万人分を上限にチケットを販売していたが、実験の対象になったことで追加で販売した。主催者によると、追加販売分を含めた来場者数は約1万人だった。

 抗原検査は、主催者から無料で送られた検査キットで、事前に検査の様子を撮影した動画を送付するか、前日にスマホでオペレーターとテレビ電話をしながら、陰性かどうか確認した。

 来場者は、検査の有無などの情報が含まれたQRコードをスマホで機器にかざし、入場した。実証実験に参加し、ワクチン未接種でPCR検査を受けた40代の会社員男性は「コロナ前以来のライブ。人にうつしたりうつされたりする怖さが少しは減ると思って来た」。一方、50代のパート女性は公演後、「コロナ前の雰囲気に近づき、少し怖さはあった」と話した。

 今後、感染への不安がなかったかや、体調不良の有無などをたずねるアンケートを送る。(定塚遼)