新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、吹奏楽コンクールなどの大会を無観客や、入場制限して開催してきた福島県吹奏楽連盟(田母神貞子理事長)の運営資金が逼迫(ひっぱく)している。今後の大会の開催に影響を及ぼしかねないとして、5日からクラウドファンディングで資金支援を募ることを決めた。

 連盟には小学校から社会人までの団体約250(約7500人)が加盟。小、中、高の吹奏楽部は大会を活動の中心に置いている。

 大会は、東北大会や全国大会などにつながる予選も兼ね、演奏会場費に加え、音楽家に審査してもらう費用もかかり、出演者の参加費、会場の入場料、大会プログラム購入費などで賄ってきた。

 ところが今夏のコンクールは5日間のうち3日は入場を保護者に限り、残る2日は県内の感染急拡大を踏まえ、無観客にした。演奏しながら行進したり、演技したりするマーチングコンテストとバンドフェスティバルは9月5日にあづま総合体育館で無観客で開催した。

 1月は3~8人の少人数で演奏する第49回アンサンブルコンテストの開催を予定している。これまでは緊急時に備え、蓄えた資金を取り崩してきたが、感染再拡大となった場合、無観客で開催する余力はない状況だという。

 吹奏楽部での活動は、児童・生徒の主体性を育んだり、自己肯定感や達成感を味わったりするなど様々な学びの場だ。それだけに、田母神理事長は「大会の灯は消してはならない」と話す。

 資金は100万円を目標にクラウドファンディングサイト「READYFOR」(https://readyfor.jp/projects/74784)で5日から12月24日まで募集。目標に満たない場合は、返金する。

 寄付は3千円から。資金はアンサンブルコンテストの運営費に充て、返礼品は大会プログラムやライブ配信の視聴、県代表になった団体の演奏CDなどだ。

 問い合わせは、連盟事務局(いわき市立小名浜第一中学校内。090・8786・9231)へ。(長屋護)