茨城県の非公認キャラクターで納豆の妖精「ねば~る君」にうり二つの新しいゆるキャラが誕生した。「ぱんだーるくん」「ぱんだーなちゃん」と名付けられた双子のパンダの妖精で、ねば~る君の友達だという。茨城にパンダはいないのに、なぜ?

 ぱんだーるくんたちは15日、水戸市内で初めてお目見えした。会場のステージ上で軽快なダンスを披露したあとは、ねば~る君とともに、自由自在に伸び縮みする姿を見せた。

 ねば~る君は「(体が)伸びるのは送った納豆を食べてくれたからかな」と見守った。

 ぱんだーるくんたちが誕生したのは、日立市かみね動物園へのパンダ誘致の取り組みを盛り上げるためという。県と日立市は2019年、同市を中心とした県北地域の活性化などを目的に、ジャイアントパンダを誘致する方針を立てた。同年秋には大井川和彦知事と小川春樹市長が中国を訪れ、関係機関に協力を依頼するなどの取り組みを進めている。

 だがコロナ禍のため誘致活動は進めにくい。民間からも盛り上げようと、県日中友好協会などを中心に、昨年に準備委員会を立ち上げた。ねば~る君の制作会社に、パンダのキャラクターデザインを依頼した。

 同協会の五十嵐則夫理事長は「茨城らしいキャラクターを作るとしたら、知名度のある、ねば~る君の力を借りるのが一番いいと考えた」と話す。

 昨年12月には、クラウドファンディングで、キャラクターの制作費などにあてる資金を募った。目標額の1.5倍にあたる約157万円を集め、実現にこぎ着けた。今後は、幼稚園で園児とともに踊るイベントなどを企画しているという。

 五十嵐さんは「実際にパンダが呼べれば、地域経済に相当な効果もあるだろうし、日中の文化の相互理解のきっかけにもなる。誘致の機運が盛り上がる助けになれば」と話していた。(藤田大道)