来日しているニュージーランド(NZ)のジャシンダ・アーダーン首相が22日、東京のNZ大使館で朝日新聞の単独インタビューに応じた。自身の政治キャリアは先輩の女性政治家たちの歩みのうえにあると語り、日本の政財界のリーダーたちに「女性に活躍の機会と自信を与えてほしい」と呼びかけた。

 アーダーン氏は20日に訪日し、翌日に岸田文雄首相と会談した。アーダーン氏は2017年、37歳の若さで首相に就き、翌年に産休を取得。働く女性リーダーとして世界から注目されている。

 アーダーン氏は、NZでの男女格差是正の取り組みについて「男女間の賃金や民間・公的機関幹部の男女格差の克服に多くの努力を払っているが完璧ではない」との認識を示し、「まだやるべきことがたくさんある」と述べた。

 政治家としての姿勢については、同じく女性で首相を務めたヘレン・クラーク氏のもとで1年間働いたり、経験豊かな女性国会議員らから学んだりしたものだと紹介。「私が得た最も重要な教訓は、最高の政治家でありながらも、子どもや家族とのつながりを維持することに焦点を当て続けることだ」とし、「私のキャリアのあらゆる段階で、誰かが私に機会を与えてくれていた」と振り返った。

 世界経済フォーラム(WEF)の昨年の男女格差報告書では、NZが156カ国中4位だったのに対し、日本は120位だった。アーダーン氏は女性が活躍できる社会を築くには、リーダーたちが「女性を抜擢(ばってき)し、前に踏み出せるようにすることが大切だ。若い女性が自信を持てるようになるまで続けなければならない」と話した。(菊地直己、郷富佐子