フランス、性行為の同意年齢を15歳に 15歳未満相手は強姦扱い

シアパ男女平等担当副大臣は、フランス政府が性的同意年齢を15歳に設定する方針だと明らかにした

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フランス政府は6日、性行為に同意する能力があるとする年齢の下限を15歳に設定する方針を明らかにした。これによって今後、15歳未満の相手との性交渉は強姦と見なされる。

性行為同意年齢の設定は、医師や法律専門家からの意見を取り入れたもので、マルレーヌ・シアパ男女平等担当副大臣はこの動きを歓迎している。

政府が策定を進めている性的暴行やハラスメント防止法の一環。下限を13歳にするか15歳にするかで意見が分かれていたものの、シアパ大臣は、13歳ではなく15歳に決まったことを「とてもうれしく思う」とコメントした。15歳という下限は、エマニュエル・マクロン大統領も支持していた。

仏紙フィガロによると、アニエス・ビュザン連帯・保健相は、性行為同意年齢の設定によって「集合的な関心」が生まれ、誰もが「合法と違法」の境界を理解できると述べた。

フランスの現行法では、容疑者が15歳未満の相手に暴力や強制で性交渉を行ったという証拠のない限り、検察は強姦罪で起訴することができず、性的虐待罪に留まる。最高刑も最長5年の禁錮刑と最大7万5000ユーロの罰金にとどまる。

虐待に対する刑罰の重さは被害者の年齢を問わず一定だが、強姦の場合はより厳しい刑罰が科せられる。

下限を15歳とする案は、エマニュエル・マクロン大統領も支持していた

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画像説明, 下限を15歳とする案は、マクロン大統領も支持していた

今回の法制定は、11歳の少女に対する性暴力事件2件の判決に対する強い批判が、きっかけとなった。

2017年11月には、30歳の男が11歳に対する強姦罪で起訴されたものの無罪となった。裁判所は被害者が「拘束や脅迫、暴行、不意打ち」といった事態に見舞われなかったことを、判決の理由にした。

別の事件でも、被害者が身体的な強制を受けなかったとして、28歳の被告は強姦ではなく性的虐待の罪で有罪判決を受けた。ただし、この事件については今年2月、上訴裁が一審判決を棄却し、強姦罪の適用を言い渡した。

欧州では、国によって性行為の同意年齢が大きく異なる。

  • 14歳:オーストリア、ドイツ、ハンガリー、イタリア、ポルトガル
  • 15歳:ギリシャ、ポーランド、スウェーデン
  • 16歳:ベルギー、オランダ、スペイン、ロシア
  • 17歳:キプロス

英国の性的同意年齢は16歳だが、13歳未満の場合はいかなる性行為への同意もできないと保護されている。