米イェール大学、裏口入学の学生の合格取り消し
アメリカの名門大学を標的にした大規模な裏口入学事件を受け、イェール大学は25日、不正な方法で入学した学生の合格を取り消したと明らかにした。
この学生の両親は、子供の入学を確約するために120万ドル(約1億3000万円)の賄賂を支払ったとされる。また、この事件では12日に40人以上が訴追された。
訴追された中には、ドラマ「デスパレートな妻たち」への出演で知られる女優フェリシティ・ハフマン被告や、ドラマ「フルハウス」でレベッカ役を演じた女優ロリ・ロックリン被告などの著名人や大手企業関係者が含まれている。
イェール大学で女子サッカーのコーチを務めていたルディ・メレディス被告は、実際にスポーツをしていない学生を受け入れるために40万ドル(約4400万円)を受け取ったとされる。
大学側は、現在調査中だとしている。なお、メレディス被告は昨年11月に解雇された。
大学のホームページによると、メレディス被告は「2人の受験生に対し不正なスポーツ推薦資格を与えた」とされる。「推薦があったにも関わらず1人は入学を拒否され、もう1人は入学が認められた」という。
大学側は入学が取り消された学生の名前を明かさないとしているが、この事件については認めている。
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南カリフォルニア大学やスタンフォード大学、ジョージタウン大学などを含む米東部「アイビーリーグ」の名門大学を標的とした今回の裏口入学は、ウィリアム・『リック』・シンガー被告(58)が中心になって計画した。
子供の大学入試試験での不正行為や、スポーツをしていない子供が推薦枠で入学できるよう画策したという。
裁判資料によると、シンガー被告とメレディス被告は2015年頃から贈収賄詐欺を共謀していた。
シンガー被告は2017年、メレディス被告への賄賂の見返りとして、今回入学が取り消された学生の両親から120万ドル(約1億3300円)を受け取ったとされる。
シンガー被告がメレディス被告にこの受験生の添え状を送った際には、美術に関する経歴を「サッカー」に「訂正」するだろうと告げたという。
メレディス被告はその後、「サッカー競技をしていないと知っていたにも関わらず」、この学生を自分のサッカーチームの新メンバーとしてチェックしていた。
検察によると、この学生は2018年に入学。この時にメレディス被告はシンガー被告から40万ドルを受け取った。
メレディス被告は昨年、別の学生にスポーツ推薦枠を用意するために45万ドル(約4900万円)の賄賂を要求したとして米連邦捜査局(FBI)に逮捕されている。今週後半にも出廷する予定だ。
この大規模な裏口入学に関与した著名人や標的となった名門大学は現在、学生や保護者からの訴訟に直面している。