日本経済、戦後最悪の落ち込み 4~6月期は27.8%縮小

Early morning commuters in Tokyo.

画像提供, Getty Images

日本の内閣府は17日、2020年4~6月期の国内総生産(GDP)が前期比年率27.8%縮小したと発表した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)に取り組む中で、現行基準の1980年以降で最悪の落ち込みとなった。

この日に発表された減少率はアナリスト予想をわずかに上回った。マイナス成長となるのは3四半期連続で、GDP統計をさかのぼることができる1955年以降で最大の落ち込み。

今回の数字は、世界各国が直面する深刻な経済的影響を鮮明に浮き彫りにした。

景気低迷の主な要因の1つは、日本経済の半分以上を占める国内消費の深刻な減少だ。世界貿易がパンデミックの打撃を受けていることから、輸出量も激減している。

日本は新型ウイルス危機よりも前から、すでに経済成長率の低迷に苦しんでいた。

GDPの落ち込みは、昨年10月に消費税が8%から10%に引き上げられたことや、同月の台風19号「ハギビス」による被害などの影響で苦戦してきた日本経済を、さらに圧迫している。

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一筋の光

記録的な景気後退の後、日本の経済成長は今後数カ月で回復すると、ほとんどのアナリストが予想している。

安倍晋三首相は、パンデミックの打撃を和らげることを目的とした大規模な景気刺激策を導入している。

5月25日に緊急事態宣言を全面解除した一方で、最近の感染者急増が再び企業や家計に打撃を与えるのではないかとの懸念は残っている。

世界第2位の経済大国である中国にも、希望の兆しがいくぶん見られる。同国の2020年4~6月期のGDPは前期比年率3.2%増加した。

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<解説>景気後退後の回復に期待――カリシュマ・ヴァスワニ、アジアビジネス担当編集委員

アジア諸国は相次いで、2020年第2四半期のGDPの大幅な低下を報告している。日本も、それに続くこととなった。

しかし、GDPの落ち込みは予想外ではない。パンデミックの影響をまったく受けていない人など1人もいないし、厳格なロックダウン(都市封鎖)が敷かれなかったとしても、大抵の人は屋内に閉じこもり出費をしなかったのだから。

消費者の買い物が減れば、企業収益が減少するという連鎖が起きている。

こうした悪循環から、雇用情勢の展望に対する信頼感が失われ、就職機会についても不安感がある。その全てが、今日の数字に表れている。

しかし、今は将来を見据え、景気回復の可能性に目を向けるべき時だ。

日本は他国よりも経済を好転できる可能性が高いと、一部のアナリストはみている。

英経済調査コンサルタント会社のキャピタル・エコノミクスは、世界第3位の経済大国の日本は現在、感染の再拡大している最中だが、それでも医療体制がひっ迫しているとは言えず、新規感染者数は減少し始めていると指摘する。

同社は、日本の第3四半期にはGDPが回復し、その流れが来年まで続くと予想している。

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