【米大統領選2020】 プーチン氏、バイデン氏の当選を祝福 選挙人の投票受け
ロシア大統領府は15日、ウラジーミル・プーチン大統領がアメリカのジョー・バイデン次期大統領に、大統領選の勝利を祝福するメッセージを送ったと発表した。世界の指導者の中ではかなり遅れた祝意の表明となった。
ロシア大統領府は米大統領選について、公式結果が出るまで勝者を認めるのは留保するとしていた。
バイデン氏は先月の大統領選で選挙人を306人獲得。現職のドナルド・トランプ大統領は232人を獲得した。
選挙人は14日、各州で投票し、大統領選でのバイデン氏の当選が実質的に確定した。
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ロシア大統領府の発表によると、プーチン氏はバイデン氏の成功を願っているとし、「協力と交流の準備ができている」と伝えた。
プーチン氏はまた、「世界の安全保障と安定に特別な責任をもっているロシアとアメリカが、互いの違いを乗り越えて、世界が直面している多くの問題と課題の解決に向けて真に協力できるだろうと確信していると表明した」という。
「専制君主」
世界の指導者の多くは、先月3日の投票日から数日でバイデン氏の当選が確実となった段階で、バイデン氏を祝福していた。
プーチン氏とバイデン氏の関係は、同氏がバラク・オバマ前政権で副大統領を務めていた時に冷え込んだ。
バイデン氏はプーチン氏を専制君主と呼んでおり、トランプ氏より厳しい姿勢でロシアに接するだろうとアナリストらはみている。
ロシアは2016年の米大統領選に介入し、トランプ氏の当選を手助けしたと非難されている。プーチン氏は同年の大統領選では、投票翌日にトランプ氏の勝利を祝福していた。
BBCのスティーヴ・ローゼンバーグ・モスクワ特派員は、ロシア側が今回の大統領選で、トランプ氏の再選を願っていたことは明らかだと説明。トランプ政権だとロシア批判が少なく、西側諸国の同盟関係が弱体化することなどが理由だとした。
また、ロシアは現在、アメリカによる厳しいアプローチと、追加制裁の可能性への対策を進めていると解説した。
メキシコ、ブラジル大統領も
一方、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領も、ついにバイデン氏を祝福。ブラジルの外務省は15日、ジャイル・ボルソナロ大統領が「ジョー・バイデン大統領」に祝意を表明したとする声明を出した。
バイデン氏を祝福したと確認されていない首脳としては、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がいる。
トランプ氏は敗北を認めておらず、選挙で広範な不正があったと立証されていない主張を続けている。
しかし、共和党有力者でトランプ氏を支援してきたミッチ・マコネル上院院内総務は15日、バイデン氏の当選を祝福。トランプ氏にとっては打撃となった。