ドイツで洪水、死者80人以上 ベルギーでも12人以上死亡
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ドイツとベルギーで15日、記録的な豪雨によって各地の川が氾濫し、堤防が決壊した。両国で合わせて90人以上が亡くなった。
ドイツでは少なくとも80人が死亡した。さらに、数百人が行方不明となっている。
ベルギーでも12人以上が亡くなった。
最も被害が大きかったのはドイツのラインラント＝プファルツ州とノルトライン＝ヴェストファーレン州。このほか、オランダでも洪水被害が報告された。
これらの地域では16日も激しい降雨が予想されている。自治体の幹部からは、気候変動の影響が指摘されている。
ノルトライン＝ヴェストファーレン州のアルミン・ラシェット首相は、被災地を訪問し、地球温暖化による異常気象が原因だと述べた。
「このような事態に何度も見舞われていることからも、気候を守る政策を加速する必要がある（中略）気候変動はひとつの州に限定されるものではない」
専門家は、気候変動によって異常気象が頻繁に起きる可能性を示唆している。だが、温暖化と個別の事象を関連付けるのは簡単ではない。
メルケル首相は訪米中
訪米中のアンゲラ・メルケル独首相は、洪水を「大災害」と呼び、「犠牲者をしのんでいる」と述べた。
また、国民に対し、「連邦政府と地方政府、コミュニティー、すべての政治機構が一体となって、最も困難な状況の中で命を助け、危険を回避し、苦境を和らげると信頼してほしい」と呼びかけた。
下の写真では、ラインラント＝プファルツ州バート・ノイエンアール＝アールヴァイラーの洪水前後の様子をスライドして確認できる。
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ドイツでは警察のヘリコプターや数百人の兵士が被災地に派遣され、取り残された住民を助けている。
洪水のあった地域では、多くの住民が屋根に上って救助を待っていた。
ドイツ西部では学校が閉鎖されているほか、交通機関も深刻な影響を受けている。
地元テレビ局SWRによると、山岳地帯アイフェルでは緊急事態宣言が発令され、25軒ほどの家屋が倒壊の危険にさらされている。
また、一部の住宅は完全に孤立し、ボートでもたどりつけなくなっているという。
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ラインラント＝プファルツ州マイエン在住のアンマリー・ミュラーさん（65）はAFP通信に、「誰もこんな事態は予想していなかった」と語った。
「一体どこからこんな大雨が来たのか。とても大きな音とともに勢いよく流れてくるから、玄関の扉が壊されるかと思った」
オルトルド・メイヤーさん（36）も、「こんな状態は見たことがない」と話した。
「マイエンにいる80歳近い義父も、こんな大雨は経験したことがないと言っていた」
ベルギーでは、中部ヴェルヴィエ市で車が押し流されていく様子がソーシャルメディアで拡散された。
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ブリュッセルとアントワープに続く同国第3の都市リエージュでは、避難指示が発令された。
また、自宅を離れられない人は建物の上階に移動するよう指示されている。
街中を走るマース川の水位はすでに氾濫寸前だが、これからさらに1.5メートル上昇すると予想されている。地元当局はダム橋が決壊する恐れがあるとして、住民同士で支援するよう呼びかけている。
リエージュ州で2つの川が合流するペパンステルでは、15日に住民が大型トラックで避難した。しかし、近郊トローでは状況が悪化しているため、避難は中断しているという。
オランダではこれまでに死者の報告はないものの、マース川流域に住んでいる数千人の住民が避難するよう呼びかけられている。
マーストリヒトでは、1万人に避難指示が出された。
ドイツやベルギーとの国境に近いファルケンブルフでは、洪水が町の中心部に押し寄せ、介護施設などから入居者が避難した。
