SNS「グーグルプラス」個人向けサービス終了へ 50万人の情報流出か
デイブ・リー BBC北米テクノロジー担当記者
米グーグルは8日、個人情報が外部流出する恐れがあるとして、同社SNS「グーグルプラス」の大部分を終了すると発表した。
グーグルによると、同社ソフトウェアの不具合により、グーグルプラス利用者が非公開にしたと考えている個人情報を第三者企業が閲覧できる状態だった。
最大で利用者約50万人に影響した可能性があるという。
米経済紙ウォールストリート・ジャーナルによると、グーグルは今年3月にこの問題を把握したものの、情報公開しなかった。
ウォールストリート・ジャーナルは、グーグルの社内向けメモを入手したと書いている。このメモには、「直近の規制当局による関心」に対応するため、情報を非公開にしたと書かれていたという。
グーグルは声明で、問題が公表するほど深刻なものではなかったと述べた。
「我々のプライバシーおよびデータ保護部門が、問題を検討した。問題に関係するデータの種類、利用者に情報を正確に伝える方法、データ不正利用の証拠があるかどうか、問題に対して開発者や利用者がするべく行動があるかを調べた。どの検討基準でも、情報公開の必要に達しなかった」と同社は発表した。
失敗した冒険
グーグルプラスは2011年にサービスの提供を開始した。しかしすぐに、フェイスブックとの競合に失敗したサービスと言われるようになった。
グーグルが今回、個人利用者向けの終了を決定する以前から、ここ数年はサービス終了が噂されていた。
現在グーグルプラスを利用している企業を対象にしたネットワーク機能は、提供を続ける方針という。
グーグルのエンジニアリング担当副社長、ベン・スミス氏は8日、ブログ記事を公開。「グーグルプラスは多くの消費者や開発者には採用されず、アプリでの利用者の交流も限定的にしかみられなかった」と記した。
グーグルはこれまで、グーグルプラスの利用頻度に関する情報の公開を渋ってきた。だが今回、情報流出の恐れに直面したことで、情報を非公開とする重要性にはこだわらない方針に転換したとみられる。
「一般利用者向けのグーグルプラスは現在、利用頻度、利用者関与度ともに低水準だ。グーグルプラス利用者の1回あたり利用時間は、5秒以下が90パーセントとなっている」
グーグルの親会社アルファベットの株価は一時、1.23パーセント下落した。
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