新型コロナウイルス、「潜伏期間は平均5日」=米研究

ミシェル・ロバーツ健康担当編集長、BBCニュースオンライン

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新型コロナウイルスに感染してから症状が出るまでの潜伏期間が平均5日だったことが、アメリカの研究チームによって確認された。

新型ウイルスによる感染症(COVID-19)は、発熱やせき、息切れといった症状が特徴。これまでに全世界で11万1000人が感染している。

アメリカ内科学会の医学誌に掲載されたこの調査では、中国などの感染例を分析。その結果、感染から発症までに5日前後かかることが明らかになった。

一方、感染から12日までに症状が出なかった場合は無症状病原体保有者となるが、なお他人にウイルスを感染させる可能性がある。

研究チームは、症状のあるなしに関わらず、感染源となる可能性のある人は14日間の自主隔離が必要だと助言している。

しかし一方で、14日間にわたり隔離された感染者の100人に1人は、隔離解除後に症状が出てくる可能性があると推定される。

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研究を主導した米ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院のジャスティン・レスラー教授によると、最も「素早く」、かつ最も信頼できる結果を得るため、計181症例を調べて推計したという。

しかし、新型ウイルスについては引き続き、研究が必要だとしている。

またこの研究では、感染者の間の発症率は調べなかった。

専門家らは、COVID-19にかかった人の大半は軽症にとどまるとみている。一部の人は無症状病原体保有者となる。

しかし高齢者や基礎疾患のある人がこのウイルスにかかると、症状が深刻化し、死にいたる場合もある。

英ノッティンガム大学のジョナサン・ボール教授(分子ウイルス学)は、新型ウイルスの感染例の大半で潜伏期間、すなわち隔離期間が最大14日間になることが、レスラー教授たちの研究で明らかになったと説明した。

「また、症状の出ていない期間に、感染者が繰り返しウイルスを拡散させるという証拠はほとんどない」ことは、朗報だと指摘した。

動画説明, 新型コロナウイルス、自主隔離でやるべきこと