米空母で新型ウイルス流行、艦長が支援要請 4000人乗船

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米領グアムで停泊中の、船員4000人を超す米海軍の空母で新型コロナウイルスが流行し、艦長が緊急支援を要請した。

原子力空母セオドア・ルーズベルトでは、数十人の船員が新型ウイルス検査で陽性と判定された。

ブレット・クロージャー艦長は、国防総省に宛てた30日付の書簡で、「我々は戦争状態ではない。船員は死ぬ必要はない」とし、ほぼ全ての船員を隔離するよう勧めた。

また、密閉空間に多数の船員がいる状態では、病人を隔離するのは不可能だと訴えた。

そして、新型ウイルスの感染拡大については、「今まさに加速している」とし、「断固とした行動が必要だ」と述べた。

「必要なリスク」

クロージャー艦長はさらに、「任務についている米海軍の原子力空母から多数の船員を降ろし、2週間隔離するのは異常な措置と思えるかもしれない。これは冒す必要のあるリスクだ」と訴えた。

セオドア・ルーズベルトの船員のうち何人が新型ウイルスに感染しているのかは明らかではない。艦長の書簡を最初に報じた米紙サンフランシスコ・クロニクルは、少なくとも100人が感染したと伝えている。

米海軍の報道官は、船員の健康と安全のために「必要な全ての措置を素早く実施する」と、ロイター通信に述べた。

米国の死者、中国を上回る

アメリカでは31日、新型ウイルスによる死者が3400人を超え、中国を上回った。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、アメリカの感染者は17万5000人を超えて、世界最多となっている。

ニューヨーク州の感染者数が最も多く、アンドリュー・クオモ知事はピークはこれからだと警告している。

ニューヨーク市では医療体制への負担を和らげるため、セントラルパークなどの名所に仮設病院が建設されている。