トランプ氏や側近ら、ホワイトハウスのイベントで集団感染か

Attendees sitting close together at a Rose Garden ceremony in September

画像提供, Getty Images

画像説明, 連邦最高裁判事の後任指名を発表したホワイトハウスの式典には、多くの議員やホワイトハウス関係者が出席した(9月26日、ホワイトハウス)

ドナルド・トランプ米大統領は2日未明、自分と妻が新型コロナウイルスに感染したとツイッターで発表し、世界に衝撃を走らせた。

トランプ夫妻の陽性判明の前には、側近のホープ・ヒックス氏の感染が明らかになった。大統領の発表の後には、元側近や選対本部長などの感染も判明した。

それでは、大統領とその周辺の人たちはどのように新型ウイルスと接触したのか。

9月26日にホワイトハウスの庭や屋内で行われた式典が、注目を浴びている。トランプ氏は庭の式典で、連邦最高裁判事にエイミー・コーニー・バレット判事を指名すると発表した。9月18日にがんのため亡くなった、故ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事の後任人事だ。

世界保健機関(WHO)によると、新型ウイルスに感染してから症状が出るまでに、通常は5~6日の潜伏期間がある。

ホワイトハウスの「ローズガーデン」(バラ園)で開かれた指名発表の式典には、連邦議会やホワイトハウス関係者ら約200人が出席した。式典の画像を確認すると、マスクをしている人は少ない。席と席の間に2メートルの間隔はなく、出席者は互いに握りこぶしをこつんとぶつけあったり、握手をしたり、人によっては抱擁(ほうよう)を交わしたりしている。肩を組んで記念撮影をする人たちもいた。

出席者のうち8人がその後、新型ウイルス陽性と判定された。いずれの人も、どこでどのように感染したかは不明だ。大統領とメラニア夫人のほかに感染した人は――、

トランプ氏に長年仕えてきた側近のヒックス氏は、この式典には参加していない。

A graphic showing those who tested positive after attending the Rose Garden event

画像提供, Getty Images/BBC

画像説明, 式典の前方に座っていた人たちの感染が相次ぎ発覚している

米疾病対策センター(CDC)の感染対策ガイドラインは、同居していない人との間には6フィート(約183センチ)の距離を保ち、周囲に人がいる状況では鼻や口を覆うよう推奨している。

ホワイトハウスの式典では、前方に座っていた人たちに感染が確認された。

Mike Lee, centre, hugging other attendees at a Rose Garden event

画像提供, Reuters

画像説明, 他の出席者を抱擁していたマイク・リー上院議員(中央)は後に、新型ウイルス感染が確認された

トランプ大統領は、バレット判事が指名受諾演説をしている間、隣に立っていた。米紙ワシントン・ポストなどによると、バレット判事は夏に新型ウイルスに感染したものの、夏の間に回復している。ホワイトハウス報道官によると、判事は2日の時点で検査結果は陰性だった。

マイク・ペンス副大統領夫妻は陰性だった。ペンス氏はメラニア・トランプ夫人から通路を挟んで隣に座っていた。

副大統領と同じ列に座ったほか、コンウェイ氏らと近い距離で懇談していたウィリアム・バー司法長官については、司法省が2日に検査結果が陰性だったと発表した。

米メディア報道によると、この日はホワイトハウスの屋内でも、多くの参加者がマスクなしで狭い室内を行き来していたという。CNNの記者は当日の室内の写真をツイートしている。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計(日本時間3日夜現在)によると、アメリカでの累計感染者は世界最多の733万人超。20万8700人以上が亡くなっている。

動画説明, トランプ氏の感染判明までの7日間、集会や討論会に