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- イギリスの金融大手スタンダート・チャータード(Standard Chartered)のデータによると、アメリカは早ければ2020年にも世界ナンバー1の経済大国の地位を失う可能性がある。
- 中国に一度その座を明け渡せば、取り戻すのは難しく、2030年までにインドにも抜かれそうだ。
- スタンダード・チャータードは、アジアのGDPが2030年までに世界のGDPの約35%を占めるようになると見ている。その割合は2018年には28%、2010年は20%だった。
- 10年後には、世界の経済大国トップ10のうち6カ国がアジアの国になるだろう。
アメリカは、早ければ2020年にも世界ナンバー1の経済大国の地位を失う可能性がある —— そして一度そうなれば、アジアが経済力を増す中、アメリカがそのトップの座を取り戻すことは難しい。
イギリスの金融大手スタンダード・チャータードが1月上旬に公表した調査の結果によると、購買力平価(PPP)と名目GDPの組み合わせで、2020年のどこかで中国が世界ナンバー1の経済大国になりそうだ。
PPPだけで見れば、中国はすでに世界最大の経済大国だ。だが、名目GDPではアメリカがまだ上回っている。
だが、アメリカを追い抜くのは、2020年の中国だけではない。インドも2030年までにアメリカを上回るだろうと、スタンダード・チャータードはレポートに書いている。現在、約6%のそのGDP成長率は、今後10年で約8%まで伸びるという。
「物品・サービス税(GST)や破産・倒産法の導入を含め、現在進められている改革も手伝って、2020年代にその成長率が7.8%まで加速するインドは、最大の注目株となるだろう」と、スタンダード・チャータードは述べている。
インドの台頭は、主にその人口規模によって、アジアが世界の主要な経済地域となっていることの表れでもある。
スタンダード・チャータードのエコノミスト・チームは、クライアント向けに書いたメモの中で「我々の長期的な成長見通しは、ある1つの重要なプリンシパルによって支えられている。世界のGDPに占めるそれぞれの国の割合は、先進国と新興国の間で1人あたりGDPの差が縮まっていくことで、いずれは世界人口に占めるそれぞれの割合に落ち着くということだ」と述べている。
同社は、2030年までにアジアのGDPが世界のGDPの約35%を占めるようになると見ている。その割合は2018年には28%、2010年には20%だった。この数字は、ユーロ圏とアメリカを合わせた数字にほぼ等しい。
下のチャートが示すとおり、2030年までに世界の経済大国トップ10のうち6カ国がアジアの国になるだろう。
2030年の世界の経済大国トップ10。
Business Insider using Standard Chartered data
(翻訳、編集:山口佳美)