年収1000万円でもニューヨークではリア充になれない？

ニューヨーク州は比較的所得水準の高い州だ。

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中でもニューヨーク市は、全米でも特に所得が高い。

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高給な仕事を求めて、多くの人がニューヨークに集まってくる。

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ニューヨーカーの約30％が、10万ドル（約1100万円）以上の年収を稼いでいる。

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ニューヨークで10万ドル以上稼げる仕事は、ビジネスアナリスト、役員補佐、ソフトウエア・エンジニアなど。

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ニューヨークの平均年収は6万9211ドル。

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年に10万ドルの収入があれば、裕福な暮らしができると思うかもしれない。ある意味、それは正しい。

だが実際は、所得税を差し引くと手取りは6万5000ドル程度だろう。

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しかも、非常に高いことで有名なニューヨークの生活費も考慮しなくてはならない。

給与情報サイトのPayScaleによると、ニューヨークの生活費は全米平均より129％高い。

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例えば、1ガロン（約3.8リットル）の牛乳の価格は、全米平均では約3.5ドルだが、ニューヨークでは4.53ドル。

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その他の支出でみると、ニューヨークでジムに通うなら、月会費の平均額は100ドル、

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近所のパブでちょっとしたディナーを食べると、2人で平均57ドル、

出典 : Business Insider

男性の散髪は、平均26ドル。

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公共交通の定期代は、1カ月121ドル。これは世界50都市の中で5番目に高額。

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消費税は、ニューヨーク市税が4.5％、州税が4％。合わせて8.5％。

編集部注：さらにメトロポリタン地区追加税として、0.375%がかかる。

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一方、他の州では消費税は2.9〜7.25%、消費税のない州もいくつかある。

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さらに住居費の問題がある。これは間違いなくニューヨークの生活費が高い最大の要因だ。ニューヨークの平均的な住居費は、全米平均より369％高い。

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固定資産税は比較的安く、0.8％。一方、ニューヨーク州全体の平均では1.65％、全米平均では1.19％。

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住宅ローン情報サイトのHSHによると、ニューヨーク市の都市圏で住居を購入したい場合、年収10万5684ドルであれば、平均的な価格の住宅のローン、税金、保険の支払いが可能だ。

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だがこれは20％の頭金、つまり約8万ドルの貯金があることが前提となる。また、ニューヨーク都市圏での平均的な住宅価格、40万3900ドルで購入できる住宅の選択肢は限られたものとなる。

不動産情報サイトのZillowによると、ニューヨーク市の5つの区における平均的な住宅価格は68万ドル近くとなっている。

出典 : Zillow

賃貸も決して簡単ではない。

住居費は年収の30％までというアドバイスに従うなら、家賃として使えるのは月2500ドルとなる。

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月2500ドルは高額に思えるかもしれないが、ここはニューヨーク。

金融情報サイトのInvestopediaによると、ニューヨークのアパートの平均的な家賃は、月3667ドル。

出典 : Investopedia

マンハッタンでは、ワンルームの家賃は平均2550ドル。

出典 : Naked Apartments

1ベッドルームを望むなら、家賃は3100ドル近くになる。

出典 : Naked Apartments

それに加えて、仲介手数料が必要となるケースも少なくない。通常、家賃の1カ月分で契約時に支払う。

ワンルームよりも広いアパートに住みたいなら、ルームメイトを探すことになるだろう。多くのニューヨーカーがそうしているように。

実際、2017年の調査によると、ニューヨークでアパートを借りている成人の40％がルームシェアをしている。

ブルックリン、クイーンズ、ブロンクスに住むという選択肢もある。安くはないが、マンハッタンよりは手頃だ。

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ワンルームの平均的な家賃は、ブロンクスで1450ドル、クイーンズで2175ドル、ブルックリンで2350ドル。

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マンハッタンで暮らすと決めたなら、小さく暮らすライフスタイルを取り入れるといい。

ニューヨークでは、小さなアパートは珍しくない。だが、マンハッタン南部にあるカーメル・プレイス（55戸）は、さらに進化している。

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このアパートは、小さく暮らす実験的な取り組みとして2015年に建てられた。増え続けるニューヨーク市の人口と、それに伴う手頃な価格の住宅不足に対応したもの。

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各部屋の広さは約24～33平方メートル。ちなみにマンハッタンのアパートの平均的な広さは約65平方メートル。

出典 : Business Insider

家賃は月2775ドルから。若干予算オーバー。

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だが、ジム、ハウスキーピング、ランドリー、食料品のデリバリー、交流イベントへの参加費が家賃に含まれている。また最新の電化製品と家具が備わっており、生活費の節約につながる。

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我々はここでの暮らしを知るために、2015年に1泊してみた。

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部屋は美しい装飾とデザインが施され、｢とても住みやすそう｣と感じた。毎月の家賃を支払うことができればの話だが。

出典 : Business Insider

カーメル・プレイスは、ニューヨークの多くの賃貸アパートよりも新しい。

出典 : Business Insider

だがニューヨークに住むなら、ときにスペースは犠牲にしなければならない。ユーチューバーのクリス・ビューエル（Chris Buell）は、約33平方メートルのアパートに月2600ドルの家賃を支払っている。場所は明かしていない。ニューヨーク市のどこか。

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小さな寝室には、小さなクローゼット。

しかし、天井までの高さの窓から太陽光が射し込む。これはニューヨークの賃貸市場ではセールスポイント。

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また、乗り越えるべきハードルは狭さだけではない。

多くのニューヨーカーが住む建物は、最近建てられたものではない。ユーチューバーのジェレミー・バーニエ（Jeremy Bernier）も築100年の建物に住んでいる。

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バーニエは2016年当時、年収15万ドルのソフトウエアエンジニアとして働き、イーストビレッジにある家賃2500ドルの1ベッドルームのアパートに暮らしていた。

出典 : Jeremy Bernier/YouTube and Jeremy Bernier/YouTube

ニューヨーク市の住宅用建物の平均的な築年数は90年。そのため年収10万ドルでも、古いアパートを借りることになる可能性が高い。

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