東大特任准教授を懲戒解雇。「反日勢力に支配されているかのような印象を与えた」

懲戒処分

2020年1月15日。東大情報学環のWebページに、懲戒処分に関するプレスリリースが公開された。

撮影:三ツ村崇志

東京大学大学院情報学環・学際情報学府(以下、東大情報学環)の大澤昇平特任准教授によるTwitter上での差別的な書き込みについて、1月15日、東京大学は大澤氏を懲戒解雇とする処分を発表した。東大情報学環に設置された調査委員会の調査によって、2019年末に「アジア情報社会コースが反日勢力に支配されているかのような印象を与え、社会的評価を低下させる投稿」などがあったことを事実として認定、懲戒解雇の処分を決定した。

東京大学は、懲戒処分の理由を東京大学短時間勤務有期雇用教職員就業規則に定める「大学法人の名誉又は信用を著しく傷つけた場合」及び同項第8号の「その他この規則によって遵守すべき事項に違反し、又は前各号に準ずる不都合な行為があった場合」に該当したためであるとしている。

大澤氏は2019年11月に「中国人は採用しません」などと自身のTwitter上に書き込み批判が殺到。寄附講座に寄付をしていた企業が引き上げるなど、物議を醸していた。今回の懲戒処分について大澤氏は「処分は不当だ。日本の AI 技術の発展を軽んじ、アジア諸国の多様性を重んじた東大の対応は明らかに間違っている」と、Twitter上で発言している。

東大「調査と審議に時間がかかった」

大澤氏のツイート

出典:Twitter

東大情報学環では、大澤氏のTwitter上での差別的な書き込みを受け、2019年11月28日に対応を検討するため調査委員会を設置していた。

東京大学本部広報課によると、今回の懲戒処分の決定については、東大情報学環の調査委員会からの報告を受け、最終的には総長が妥当だと判断したという。また、調査委員会の設置から処分まで時間がかかったことについて、東京大学本部広報課は「調査と審議に時間がかかったためである」と話した。

東大情報学環でも、15日、今回の懲戒処分に関してプレスリリースを発表。

「問題は書き込みをした本人だけにあるのではなく、情報学環・学際情報学府の対応の不十分さ、努力不足にも起因するものと考え、深く反省しています」

と一連の問題への対応が不十分だったと述べている。

この点について、東大本部広報課は「現状、一連の問題について東大情報学環内の責任者を処分するかどうかなどについては情報はあがってきていない」と話す。

(文・三ツ村崇志)

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