周囲の人々を困らせるために建てられた11の家

「スパイトハウス」は世界中で見られる現象だ。

「スパイトハウス」は世界中で見られる現象だ。

Carl Court / Staff / Getty

  • 家は通常、安全な避難所となるように設計されているが、周りに迷惑をかけようとして作られている場合もある。
  • 「スパイトハウス(悪意のある家)」とは、近所の人を苛立たせたり、いやがらせをしたりするために建てられた家のことだ。
  • 所有者が手放したあと、そのような家は観光地になることもある。

あなたの隣人を愛することが重要であるにもかかわらず、近くに住む人々の間の戦いはよくあることで、スパイトハウス(悪意のある家)につながる可能性もある

「スパイトハウス」は世界中で見られる現象だ。

「スパイトハウス」は世界中で見られる現象だ。

Arina P Habich/Shutterstock

「スパイトハウス(悪意のある家)」は、隣人を苛立たせることを唯一の目的として、または近くの土地所有者に対する復讐やいやがらせとして建てられた家のことだ。

それは一般的な現象であり、世界中で見ることができる。


ある男は海の眺めを遮るために、この「the Grudge(遺恨)」を作った

The Grudge/al-Ba`sa:海の景色を遮るように建てられた居住可能な壁。

The Grudge/al-Ba`sa:海の景色を遮るように建てられた居住可能な壁。

Sandra Rishani

以前、Insiderで報じたように、レバノンのベイルートには、最も幅の広い部分でも4メートルしかない建物がある。

地元に伝わる話によると、1954年にある男が兄弟の家の前にこの極薄の建物を建てた。それは兄弟が自分よりもよい土地を手に入れたことに腹を立てた男が、海の景色を遮るためにだったという。

都市計画家であり建築家でもあるサンドラ・リシャニ(Sandra Rishani)が著書で紹介したことで、「The Grudge(遺恨)」は世界的に注目されるようになった。


建て替えを拒否されたある女性は、建物を赤と白で塗った

この「ストライプハウス」はロンドンにある。

この「ストライプハウス」はロンドンにある。

Carl Court / Staff / Getty

ガーディアンによると、2015年、チッポラ・ライル・マインウォーニング(Zipporah Lisle-Mainwaring)はロンドンの家を取り壊したいと考えていたが、近所の人が計画に反対したので、キャンディケインの縞模様で塗ることにした。

近隣の人々は彼女に塗り直しを求めたが、ロンドンの高等裁判所は、2017年に地方議会からの命令に従わなくてもよいと裁定した

イブニングスタンダードによると、2017年に解体を認める許可が与えられたという。


ボストンの「スキニーハウス」は兄弟間の確執の結果だと言われている

この家は兄弟の争いの結果、建てられた。

この家は兄弟の争いの結果、建てられた。

John Stephen Dwyer/Wikimedia Commons

ボストンマガジンによると、このスキニーハウスは、南北戦争での従軍から戻った男性が、兄が彼らの共有地に大きな家を建てたことを知った後に建てられたと言われている。

この建物は、ボストン港に隣接する隣家の眺めと日光を遮るように建っている。


「平等の家」は抗議の意味を込めて、教会の真向かいにある

「平等の家」はカンザス州トピーカにある。

「平等の家」はカンザス州トピーカにある。

Mark Reinstein / Contributor / Getty

カンザス州トピカにある「平等の家(Equality House)」は、世界的なLGBTQ団体「プランティング・ピース(Planting Peace)」のリソースセンターになっている。

ハフィントン・ポストによると、プランティング・ピースは2013年にこの家を購入した。その理由は、イラク戦争で戦死した兵士の葬儀に押しかけて抗議することで知られるウェストボロ・バプティスト教会に対抗するためだった。

「平等の家」は現在も建っているが、同団体は2016年には「モットハウス(Mott House)」というトランスジェンダー旗の色に塗られた2軒目の家を追加した。


バージニア州アレクサンドリアのスパイトハウスは、かつての路地に建てられた

かつての路地に建てられた家。

かつての路地に建てられた家。

Google Maps

このスパイトハウスはアメリカで最も狭い家と呼ばれている。ニューヨーク・タイムズによると、1830年に隣接する家に住んでいたジョン・ホレンスベリー(John Hollensbury)によって建てられた。

ホレンスベリーは、馬車や通行人が路地を通れないようにするために、この小さな家を建てた。中に入って見ると、レンガに馬車の車輪の跡が残っているのが分かる。


モントレーク・スパイトハウスは、その土地の所有者が侮辱された後にできた

モンレイク・スパイトハウスの広さはわずか80平方メートルだ。

モンレイク・スパイトハウスの広さはわずか80平方メートルだ。

Joe Mabel / Wikimedia Commons

ワシントン州シアトルにあるモントレイク・スパイトハウス(Montlake Spite House)は、1925年に建てられた。言い伝えによると、この約290平方メートルの土地の所有者は、この土地を庭にしたいと考えていた隣人から買い叩かれそうになった。Atlas Obscuraによると、地主はその少額の申し出に気分を害し、代わりに小さな家を建てることにしたという。

2016年、幅が約1.5メートルしかないその家は、51万9000ドルで売りに出された


メリーランド州にあるジョン・タイラーの家は、市役所に逆らって建てたものだ

フレデリック・タイラー・スパイトハウスは道路の建設に逆らって建てられた。

フレデリック・タイラー・スパイトハウスは道路の建設に逆らって建てられた。

Thisisbossi/Wikimedia Commons

メリーランド州フレデリックにあるタイラー・スパイトハウスは、1814年にジョン・タイラー(John Tyler)によって建てられた。地元の言い伝えによると、このスパイトハウスが建てられたのは、タイラーが自分の敷地内に市が道路を建設する計画があることを知ったからだ。

タイラーは、すでに建物が存在していたり、その上に建物を建設中であれば、敷地内に道路を建設することはできないという法律を見つけ、道路が舗装される前夜に工事をしてくれる業者を探し出した。

タイラーによる真夜中の工事のために、道路は建設できず、彼が建てた家は現在も「フレデリック・タイラー・スパイトハウス」と呼ばれている。


ロードアイランド州アダムスビルにあるスパイトタワーは、隣人のいざこざが原因で建てられた

スパイトタワーは観光名所になっている。

スパイトタワーは観光名所になっている。

Linnaea s/Wikimedia Commons

ロードアイランド州の地元の歴史家によると、スパイトタワーは1905年に隣人同士の2人が喧嘩をして、片方が相手の景観を遮ろうとして建てられたという。一方、ヘラルドニュースは、この建物が井戸の上に建っているために、水を汲むためにその高さが必要だったという説を取っている。

いずれにしても、この名前は定着し、スパイトタワーは現在でも人気の観光地だ。


ニューヨーク州フリーポートにあるこの家は、ニューヨークがグリッド状に開発されるのを防ぐために建てられた

この家は「フリーポート・スパイトハウス」や「ミラクルハウス」と呼ばれている。

この家は「フリーポート・スパイトハウス」や「ミラクルハウス」と呼ばれている。

Joe Mabel/Wikimedia Commons

「フリーポート・スパイトハウス」や「ミラクルハウス」と呼ばれるこの家は、19世紀末に不動産開発者のジョン・ランドール(John Randall)が建てたビクトリア調の家だ。

ランドールは、街が碁盤の目状に開発されるのを防ぐために、この2階建ての家を建てたと言われている。現在も残っているこの建物は、三角形の土地に建てられている。


プラム・アイランド・ピンクハウスが建てられたのは、結婚生活がうまくいかなかったからだ

ピンクハウスはマサチューセッツ州ニューベリーにある。

ピンクハウスはマサチューセッツ州ニューベリーにある。

Thomas H. Mitchell/Getty Inmages

Atlas Obscuraによると、マサチューセッツ州ニューベリーにあるプラムハウスは、1920年代に、ある夫婦のかつて住んでいた家のレプリカとして建てられた。

言い伝えによると、元夫は離婚協議の一環として同じ家をもう一軒建てなければならなかったが、裁判所は家を建てる場所は指定しなかった。元妻への腹いせに、男性は海岸に近い湿地に家を建て、水道には海水を使用したため、住めなくなってしまったという。


エディス・メイスフィールド・ハウスは、ディズニー映画「アップ」に出てくる浮いている家と比較されている

エディス・メイスフィールド・ハウス。

エディス・メイスフィールド・ハウス。

REUTERS/David Ryder

2006年、エディス・メイスフィールド(Edith Macefield)は、ワシントン州シアトルにある自宅を、その土地を周囲の土地と合わせてオフィスビルにしたいと考えていた開発業者に100万ドルで売却を持ちかけられたが断った。

オフィスビルは彼女の家を囲むように建てられ、ディズニー映画『カールじいさんの空飛ぶ家(原題:Up)』に登場するカール・フレデリクソンの家のようにも見える。通行人は、このディズニー映画にちなんで、家の外のフェンスに風船を吊るしたりしている。

この家は、2009年にメイスフィールドさんが亡くなった後も敷地内に残っている。シアトルPIが報じたところによると、彼女はこの家のプロジェクトの施工管理者に遺贈したという。

[原文:11 unique homes that were built just to annoy people

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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