Melia Robinson/Business Insider
アメリカ人の8人に1人が毎日ビザを食べているそうだ。
そして客の流れは業界大手ドミノピザ(Domino Pizza)や、ピザハット(Pizza Hut)から、革新的な、速くて安いピザチェーンに移っている。
MOD Pizzaも最近人気のピザチェーンの1つだ。2008年に元スターバックス幹部が創業した同社の規模は、過去1年間で倍になった。フード業界に精通するコンサルタント会社Technomicは2015年、1年間の売上高が220%成長したMODを、「レストラン事業で最も急成長しているチェーン」に選んだ。
競合他社のBlaze PizzaやPieologyと同じく、MODは顧客がたくさんあるトッピングの中から好きなものを選べるメキシコ料理ファストフードのチポトレ(Chipotle)のような生産ラインで、客の好みに合ったピザを焼き上げる。
Business Insiderの記者は、カリフォルニア州デイリーシティ(Daly City)にあるMODの店舗を訪れた。
ピザデリバリーの革新には驚くべきものがある。最近では、Amazon Echoに話しかけたり、ピザの絵文字を文字メッセージで送ったり、こんなものを押したりするだけでピザが注文できる。
Domino's
しかし2007年、スコット・スベンソン(Scott Svenson)氏は、外で食べるピザが「がっかりするほど進歩していない現状」にうんざりした。同時にスベンソン氏と妻のアリー(Ally)氏は、そこにビジネスチャンスを感じた。
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スベンソン氏は当時、スターバックスのヨーロッパ部門のトップを務めていた。その前には、彼とアリー氏は1998年にスターバックスに買収されたイギリスのコーヒーチェーン、 シアトルズコーヒーで働いていた。スベンソン氏はスターバックスを離れ、起業を決意した。
1年後、夫婦はシアトル郊外でMOD Pizzaを立ち上げた。今ではアメリカとイギリスに227店舗を構え、今年中にさらに60店舗増やす予定。
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MOD Pizzaは客が目の前に並ぶ多くのトッピングの中から好きなものを選べる、メキシカン・カジュアルレストランのチポトレ(Chipotle)の作業工程からインスピレーションを得た。
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メニューには、クラシックチーズやモッツァレラ、アシアーゴ、バジル、ニンニク、スライストマトをトッピングしたDillon Jamesなど9種類の「定番」もある。
「MODチーム」と呼ばれるスタッフが鮮度を保つために毎日、材料をスライスして仕込みをする。
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特製レシピで作る生地は、機械でトルティーヤの薄さにプレスされる。
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注文を受けた従業員がソースとチーズを塗り、次の作業ラインへ送る。
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8ドル(約880円)で、客は11インチ(直径約28センチ)のピザに好きなだけトッピングすることができる。
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ピザの値段は地域によって多少異なる。
たくさん食べたい客には、2枚のピザ生地を重ねる「メガ」ピザがお薦め。3ドル(約330円)を追加するだけで、インスタ映えするボリュームになる。
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それからピザ生地を90秒間ガスオーブンに入れる。コックは熱が均等に行き渡るようにプレートの生地を回し、表面に焼き色がついたら取り出す。
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持ち帰り用ピザは、取り外しできるふたのついたミニボックスに入れられる。食べる際に段ボールのふたが邪魔にならないように配慮した。
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まずモッツァレラチーズ、ペパロニ、ソーセージ、グラウンドビーフがトッピングされた、肉好きにはたまらないピザ「Mad Dog」に挑戦。最初の1切れはあっという間に食べた。マッシュルームはとても新鮮で、ソーセージはあつあつだった。
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表面にモッツァレラチーズ、アジアーゴチーズ、ローストしたレッドペッパー、マッシュルーム、そして緑色のペスト(編集部注:バジリコの葉などで作る調味料)がのった「Tristan」というピザは、地味ではあるが、おいしい。ピザ生地はその薄さゆえに中央の方が固く仕上がっている。ピザ生地というより、クラッカー状のパンに近い。
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チーズのとろけ具合は完璧だった。糸を引いたモッツァレラチーズがたまらない。
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季節限定の「Crosby」は、マイルドソーセージ、ローストアスパラガスに、バルサミコといちじくを合わせたソースをかけたもので、すぐにお気に入りとなった。絶品だ。
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バーベキューソースのピザはもともとあまり好きでないため、「Caspian」は自分好みではなかった。モッツァレラチーズ、ゴルゴンゾーラチーズにバーベキューチキン、バーベキューソース、紫たまねぎのスライスがトッピングされていた。
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またぜひここにピザを食べに来たい。価格が高めだとしても食べる価値があるし、「人材ファースト」を企業理念にするこの会社をサポートしたい。MODを他のライバルたちと違う存在にしているのは、企業文化であり、従業員を大切にしている点だろう。スベンソン氏は、同社が顧客よりもスタッフを重視しているとさえ語った。
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「何をするにもここで働く人が核となっているんだ」とスベンソン氏は言う。同社は、犯罪歴があろうと、障害があろうと、さまざまなバッググラウンドを持つ人を雇用している。
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筆者がデイリーシティで会ったスタッフの大半は、地元のコミュニティーカレッジの学生たちだった。何人かにとっては初めての仕事だ。MODは現地で定められた最低賃金より25%高い給与を払っている。
スベンソン氏はMODを「ここで働く人達が願う道への架け橋」と位置づけている。ピザをつまむにも、悪くない場所だ。
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[原文 :A pizza chain created by a former Starbucks exec should worry Pizza Hut and Domino's ]
(翻訳:Eiko Ofuji Mizuta)