京都新聞によると、4月から同病院に配属された研修医は95人で、そのうち6割に当たる57人が、自宅待機の対象となった。そして、研修医以外にも対象となった職員がいるという。
研修医らには、3月の段階で会食などの自粛方針を伝えていたが、新型コロナウイルスをめぐる国内の状況が変化したため、病院が独自に自宅待機を決めたとしている。
この報道を受け、京大病院は4月8日、宮本享病院長名で見解を明らかにし、まず「京大病院を受診されている患者さんや関係者の皆様にご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます」と謝罪し、次のように説明した。
今回、新しい研修医に対し、4月1日までの2週間の間に、2人以上で1回でも飲食を伴う外食をしたかなどの自己申告を求めた。
外食には家族での食事を含み、該当した場合には、その事実があった日から14日間の自宅待機を命じた。これは「感染リスクを徹底的にゼロに近づける措置」だとしている。現時点で、研修医に感染者はいないという。
病院の評価と要望
病院としては、研修医にあらかじめ旅行や外食などの自粛を連絡したが、「必ずしも全員が正確にその内容を十分理解できていたとは限らないなかで、研修医たちは極めて真摯に自己申告してくれたものと認識しています」と評価した。
そのうえで「未来の医療を担う若者です。温かく見守っていただければ幸甚です」と要望した。
「本院では、患者さんと医療スタッフを含む本院職員の安全を確保し、高度な医療を継続的に提供し続けられるようにするために、家族での外食の自粛を含む、厳しい基準での感染予防策を職員に求めております」
「引き続き職員の感染予防に関する意識を高め、徹底した感染管理を行って、安心・安全な医療の提供を継続に尽力して参ります」
病院の見解発表後、医療関係者からは報道側に対する厳しい声があがっている。
なお、東京都の慶應義塾大学病院は、研修医18人について新型コロナウイルスの集団感染を明らかにしている。研修医が約40人で会食をしたといい、病院は「医療者として許されない行為であり、医師としての自覚が欠如していたと言わざるを得ません。深くお詫び申し上げます」としている。