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『160キロ願望』を捨てた巨人・菅野智之の野球論「良いボールを投げる寸評会ではない」「抑えた投手が偉い」

2020年10月7日 06時00分

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通算100勝と開幕戦勝利から13連勝を達成した巨人・菅野

通算100勝と開幕戦勝利から13連勝を達成した巨人・菅野

◇6日 巨人6-4DeNA(東京ドーム)

 負けることが想像すらできない。巨人の菅野が開幕戦勝利から13連勝のプロ野球新記録を打ち立てた。「素直にうれしい気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです」。通算100勝も同時に達成したスーパーエースは言葉にも力がみなぎっていた。
 立ち上がりはいつもと変わらぬ菅野。直球は150キロを超え、スライダーは曲がり、コントロールも申し分なし。1回、2回を三者凡退に抑えそのまま「0」が並んでいく予感をかき立てた。しかし3、4回で3失点。変調しかけたが、5回以降の3イニングで1安打無失点と持ち直した。これが菅野の真骨頂だ。
 根底にあるのは強烈なプロ意識だ。アマ時代に漠然と思っていた「160キロ投げたいな」という気持ちはとうの昔に置いてきた。「良いボールを投げる寸評会じゃないので。抑えたピッチャーが偉いと思うし、どんなに良いボールを投げても打たれたら元も子もない。野球ってそういう競技」。すべての時間は打者を抑え、そして勝つために費やしてきた。「野球でお金をもらうということは自己満足だけじゃどうにもならない」
 打者を抑え、チームを勝たせ、ファンを喜ばせる―。そのことでしか対価を得ることはできない。「先人たちが築き上げてきた記録はなかなか抜けないものだと思っていた。それを更新できてうれしいし、まだまだ伸ばしていきたい」。現実を突き詰めた先にプロ野球新記録という夢が待っていた。

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