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本から得た恩、次代へ 掛川・高久書店が中高生に先着配布

2021年5月30日 05時00分 (5月31日 16時10分更新)
6月から始まる「ペイフォワード文庫」を紹介する高木久直さん。初回は戸田佑也さんの選書10冊が並ぶ=掛川市掛川の高久書店で

6月から始まる「ペイフォワード文庫」を紹介する高木久直さん。初回は戸田佑也さんの選書10冊が並ぶ=掛川市掛川の高久書店で

  • 6月から始まる「ペイフォワード文庫」を紹介する高木久直さん。初回は戸田佑也さんの選書10冊が並ぶ=掛川市掛川の高久書店で
  • 戸田佑也さん
 掛川市掛川の高久書店が、全国的にも珍しい図書イベント「ペイフォワード文庫」を六月から始める。社会で活躍する大人たちが本から受けた恩を、次の世代に恩送りする試み。毎月一人の大人が、人生を変えた一冊や愛読書など計十冊を選んで購入し、書店を訪れた中高生に一人一冊先着で配る。第一回は、市内のIT企業あらまほし代表の戸田佑也さん(34)が選んだ本が、特設コーナーに並ぶ。
 本に育ててもらった大人たちが未来を思い、新型コロナウイルスの感染拡大で行動が制限される次の世代へ将来の投資として十冊の本をプレゼントする。
 同書店代表の高木久直さん(50)と、よく店を訪れる戸田さんが四月下旬、雑談中に「こんなことやったら面白い」と発案した。会員制交流サイト(SNS)で発信したところ、市内で起業した三十〜四十代の会社経営者らが応じ、来年一月の八カ月先まで埋まっているという。
 戸田さんは、読書猿さん著「独学大全」をはじめ、ビジネス書、自己啓発書、小説や漫画まで幅広い十冊を選んだ。「世界の見え方を広げ、したたかに生きていくきっかけになる本を選んだ」と紹介している。
 高木さんは「二千円を超える本など、自分を高めるために読みたくてもなかなか買えない。応じてくれた大人の皆さんは、そんな気持ちにも寄り添おうとしている」と中高生に活用を呼び掛ける。 (中野吉洋)

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