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日本海オセアンL設立 BC離脱 福井など西地区4球団

2021年9月17日 05時00分 (9月17日 15時20分更新)

記者会見で記念撮影する「日本海オセアンリーグ」運営会社の黒田翔一社長(右端)ら=16日、東京都内で


 野球の独立リーグ「ルートインBCリーグ」の西地区に所属する福井ワイルドラプターズなど四球団は十六日、同リーグを抜けて、新リーグ「日本海オセアンリーグ」を設立すると発表した。新型コロナウイルスの影響でこれまでのような活動ができなくなったことが主な理由。 (藤共生)
 福井ワイルドラプターズの小松原鉄平球団社長は「福井球団は新リーグに参加する。経営陣の刷新やチーム名の変更については現在、新リーグと調整している」と話した。
 新リーグに参加するのは福井球団のほか、オセアン滋賀ブラックス、富山GRNサンダーバーズ、石川ミリオンスターズ。主な変更点は▽試合数は年間五十試合と交流戦十試合に減らす▽一つの会場で一日四チームが試合をする▽一チーム十八人にしぼる−など。
 小松原社長は「新リーグの福井球団をぜひ応援していただけたら。消滅しかけていたチームが皆さまの支援のおかげでここまでやってこられた。心から感謝している。ご心配をおかけすると思うが、温かく見守ってほしい」と話した。
 BCリーグは二〇〇六年に設立。〇八年から福井球団が加わった。二一年は北信越、関東、東北、関西の十二球団で構成されていた。

ふるさとの野球復活

 新リーグ運営会社の社長を務める滋賀の黒田翔一(しょういち)前球団社長は「BCリーグは十二球団まで拡大したが、東地区とは経済規模や人口が全く違う。新型コロナウイルス禍で二年間、他地区と交流できない疎外感もあった。未来の野球人のため、ふるさとの野球を復活させたい」と新リーグ設立に至った経緯を説明した。

週末の試合増 配信は共同で


経費減とファン獲得へ

 新リーグ発足の背景には、コロナ禍で移動が制限される中、関東や東北など遠方のチームと対戦できなくなった事情がある。
 西地区は、関東を拠点とする東地区に比べ、人口規模が少なく、集客が見込めない。来場者数は不安定で、たとえコロナが落ち着いたとしても、球団の収益を改善させていくのは難しいと判断した。
 新リーグでは、四チームが一つの球場を使い、時間帯をずらして試合を行うことで、球場使用料の削減を目指す。移動費の削減も可能だ。平日のナイターを減らし、週末を増やすことで、集客力アップも目指す。
 新リーグ設立成功の鍵は、新たなファン獲得にかかっている。これまでBCリーグでは、各球団がレギュラーシーズンの試合を動画で配信するサービスをそれぞれが独自に実施してきたが、新しいリーグでは、四球団が共同で配信サービスを展開。経費負担が減ることで、今後は一球団単独では実現しなかったより臨場感のある新機軸のファンサービスを検討していく考えだ。 (郷司駿成)

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