北京五輪は『36年ベルリン五輪の完全な再現』と米評論家 ナチスの民族迫害・隠蔽と重ね合わせ批判
2022年1月8日 14時48分
米国の作家で政治評論家のビベク・ラマスワミーさんは7日、米放送局FOXニュースに出演。2月に開催される北京冬季五輪を、1936年に独ナチス政権下で実施されたベルリン五輪の再現になると批判した。
「これはベルリン五輪の“完全な再現”だ。当時のナチス政権は、ドイツでのユダヤ人や少数民族への迫害を隠蔽(いんぺい)するため、五輪をプロパガンダのショーに利用し、成功した。当時もボイコットを求める声はあったが、応じた者は少なく、ナチスを正当化した。これぞ、まさに今、中国で起きていること。われわれが目にしているのは、ドイツ以来最悪のウイグル族に対する人権侵害と残虐行為だ」
さらに、北京五輪のスポンサー企業も無言を貫いていると非難した。「これは企業の偽善だ。社会正義を大事と捉えるか否か。両方の立場は取れない。企業は選択しなければならない」とした上で「(人種差別抗議運動の)『ブラック・ライブス・マター』や他の社会正義運動のために立ち上がり、グローバル企業としてのスタンスを確立するか、あるいは最大の利益を得るために行動する企業に成り果てるかだ」と続けた。
米国は、中国が新疆ウイグル自治区でウイグル族らにジェノサイド(民族大量虐殺)を行っていると認定し、北京冬季五輪に政府代表団を派遣しない外交ボイコットを決定。英国やオーストラリア、カナダなども同様の措置を執った。日本も政府代表団を派遣しないが、一方で“外交ボイコット”の文言は用いないと発表している。
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