男ゴコロを直撃! オーベルジュのローデンコートの凄味とは?

1572年頃誕生
生地に初めて機能をもたせたローデンコート

素朴な温もりを湛えたこの生地は、古式ローデンクロスの製法に則って作られています。ローデンクロスは、16世紀半ば、オーストリア・チロル地方の王が農民の野良着用に開発を命じて誕生した生地。縮絨&一方向だけの起毛によって暖かくて水も弾く、機能生地の元祖とか。

ちなみに今生地の優しげな色は混紡するブラックシープ、ヤク、アルパカの毛色そのままですが、これも当時、農民は染色した衣類を着てはいけない決まりだったため。

もちろんデザインも伝統のローデンコートに準じ、猟銃を構えやすいようあえて脇下を縫い付けないフローティングショルダーもそのまま。

そんな服飾史的にも価値ある一着をサラリと羽織るなんて、贅沢だと思いません?

AUBERGE[オーベルジュ]
ローデンコート JYUZO

’70~’80年代のイタリアで起こったローデンコートの大きなブーム、それを基に今日的にシルエットを磨き上げた渾身作だ。ちなみに商品名は、当コートを愛用していた伊丹十三に由来している。9万8000円。(スロウガン)


肩の可動域を広げるため脇下を縫い止めない

生地を縮絨してギュッと目を詰め、かつ一方向だけ起毛させるのがローデンクロスの特徴。これにより防寒性と水弾き性が高まるのだ。
 

古式コートにして理想的なAラインを描く

チンクワンタのブルゾン13万8000円。(ビームス 六本木ヒルズ)ステートラインのカットソー4000円。(シップス 渋谷店)ユナイタスのパンツ2万8000円。(スタディ ショールーム)パラブーツの靴6万5000円。(パラブーツ青山店)アヤメの眼鏡3万円。(アヤメ)
 
※表示価格は税抜き


[ビギン2020年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。