Surface Book 2レビュー:突き抜けたパワーはまるでスポーツカー

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  • author 小暮ひさのり
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Surface Book 2レビュー:突き抜けたパワーはまるでスポーツカー
Photo: ギズモード・ジャパン


最初に言っておくと、結構なモンスターですよ。

「Book」なんていうと、若干カジュアルなヤツを想像している人もいるかもしれません。確かにSurfaceシリーズのラインナップはいくつかあって、ビジネス路線モデルでは軽量でスペックも価格もほどほどなモデルもあります。でもSurfaceのもうひとつの顔として、クリエイターに向けたラインナップも展開されています。

Surface Bookシリーズはどちらかと言うと後者である。ということは話しには聞いていたんですけど、借りたSurface Book 2を開いてみたら、Core i7だわ、メモリは16GBだわ、SSDは1TBだわ、GPUはGeForce GTX 1050だわ…。なんというか、キュンキュンだったんすよ、こいつの仕上がり。レンタカーで4人乗りをオーダーしてたら、スポーツカー出てきちゃったみたいな。

まぁ、ラップトップの中には確かにハイスペックモデルもいくつもありますし、そういうニーズも多々あるのは理解しています。そうしたものを踏まえつつも、このデザインや機構や性能は、へんたいてき(褒めてますよ!)です。

合体で真の力を!Bookシリーズの特徴的なデザイン

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Photo: 小暮ひさのり

まず、Surface Book 2という製品を象徴するのが、ピッタリ閉じられないヒンジ部。フィンファンネルのようでカッコイイという意見もあれば、ダサいという意見もあると思います。僕としては、シド・ミードを彷彿とさせるメカメカしさでわりと好き。

確かに無駄なスキマが生まれてしまうのはややスマートさに欠けるんですけど、ラップトップの画面はぴったりと閉じられなければいけない決まりなんてありませんしね。もしここに0.9cmのスキマが無かったとしても、上から落とした小銭が下に抜け落ちないだけ。そして、僕が書くことが2、3行減るだけです。きっと世界の誰も困りません。

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Photo: 小暮ひさのり

画面を取り外して、くるっとひっくり返して、再ドッキング! プロダクトとしてのユニークさは抜群です。なお、上(ディスプレイ部)下(キーボード部)のどっちが本体なの? というと、どっちも本体なんですよね。取り外している時はタブレットパーツだけで処理してますし、ドッキングさせればGeForceのGPUを利用できます。しかもアプリ単位で、どちらのGPUを利用するかも設定できるんです。外部GPUを使うほどでもない作業は内蔵GPUで発熱や消費電力を抑えて…。といったテクニカルな使い方ができるのはワクワクしますね!

入力・表示系は100点!これだけあれば文句ありません

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Photo: 小暮ひさのり

左側面にUSB type-Aが2ポートとSDカードスロット、右側面には充電やSurfaceドックなどを装着できる「SurfaceConnect」、そしてUSB-C。Surfaceシリーズ初となる、USB-C搭載です! USB-CーHDMIアダプタを使えば映像出力もできますし、さらに言えば、USB-Cから充電もできたんですけど、さすがにモバイルバッテリーからの充電は出力が足りなくてダメでした。惜しい…!

なお、タブレット側になりますがイヤホンジャックもありますよ。2in1なPCが欲しいけど、拡張性もちゃんと欲しいといったニーズを単純に満たしたいなら、きっとSurface Book 2はベストだと思います。

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Photo: 小暮ひさのり

上部を取り外したタブレットスタイルになると、片手でホールドできるくらいの重量感。画面は13.5インチと、パソコンとしては普通のサイズなのに「画面が外せる」といった点によって受け取る大きさが変わります。実際に画面を手に持つと、「うわ、でか!」と巨大さをダイレクトに感じられるでしょうね。また、画面はほぼA4サイズなので、「できること」を考えたらSurface ペンとSurface Dialも一緒に揃えたくなっちゃう気もわかります。そして解像度も3,000×2,000と、他の高性能ラップトップ・タブレットから比べても頭一つ抜けていて、美しさも抜群です。

ただ、ビジネスユースで考えているなら、さすがにオーバースペック気味。そしてゲーミングというスタイルともやっぱりちょっと違うんですよねぇ。

創作には何も諦めない強い力がほしい

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Photo: 小暮ひさのり

Surface Book 2、明らかにクリエイターに向けてステータス全振りです。

それも、「どこでも仕事ができたほうがいいじゃん!」や「どこでも仕事をしていたい!」といった常にクリエイティブな環境に身を置きたいプロクリエイターに向けた1台。

クリエイティブな用途という、このPCの得意とする「作業の重さ」を考えたら、2kgほどのシステム(本体1,642g+アダプター389g)は、物理的な重量としては十分に軽いと言えるんじゃないかな。コーヒーショップにデスクトップは持ち込めないけど、これならバックパックにも入ります。事実、このSurface Book 2を使っている間、ハイパワー・利便性・プロダクトとしての完成度にあてられ、僕の心はウキウキ感に満たされていましたよ。欲しいかどうかと問われたら、間違いなく欲しい!と答えます

ただし、良いスペック・良いプロダクトにはその対価も当然必要になります。Surface Book 2の場合はたくさんの諭吉。

ラインナップとしてはGeForce GPUを搭載せずにIntel HD Graphics 620だけのモデルもあり、そちらは20万664円。GeForce GPUを搭載した妥協を許さないクリエイティブユースモデルはSSD容量とメモリ容量によって価格が異なり、最高は今回レビューした39万7224円です。控えめに言ってもコスパは良いとは言えません

それでも、Surface Book 2のまるでスポーツカーのような体験はおそらく現状では唯一無二のもの。

他の2in1のSurfaceシリーズとくらべて1回りどころか、2回り以上できることが増えます。持ち運べるメインマシンで、高負荷作業もそつなくこなし、ペンもダイヤルも使えて常にモリモリとクリエイトしたいんだ! と考えるのであれば、ここで男気を見せるのもカッコイイかと

ゲーム? エクセル? 年賀状? 違うPCをどうぞ。きっと旅立つ諭吉の人数も少なくて済みます。



Image: 小暮ひさのり
Source: マイクロソフト

(小暮ひさのり)