無性に指紋のことが知りたくなってきた。
スマートフォンのロック解除方法として一般的となった指紋認証技術。OPPO(オッポ)の新型スマートフォン「R17 Neo」でも使われていますが、従来のモノとはちょっと違うんです。
センサーが、見当たらないんです。
そう「R17 Neo」はディスプレイ指紋認証システム搭載機。日本で発売されるスマートフォンとしては初お目見え(※オッポジャパン調べ。日本初ディスプレイ指紋認証は2018年10月の時点)となるテクノロジーです。待ってたよ!という方も多いのでは。
6.4インチ有機ELディスプレイ内部に指紋認証センサーが組み込まれていて、画面に現れる指紋マークに指を乗せると即ロック解除されます。保護フィルムを貼ったら効きが悪くなるんじゃないのって? 心配ご無用。最初から指紋のセンシングに対応した専用の保護フィルムが貼られた状態で販売されますから。
快適なディスプレイ指紋認証に触れていたら、ふと指紋のことが気になり始めました。
振り返ってみると1999年ごろから、ユーザー認証用として指紋センサーを搭載するパソコンがありました。ドアなどに使われる指紋認証錠も1990年代からありましたし、刑事ドラマなどでは指紋で犯人を特定するシーンはかなり昔からおなじみでしたが…一体いつごろから活用されるようになったんですかね?
詳しいこと、教えてください冨田先生!
分からないことは先人達人専門家に聞くのがイチバン。だから行ってきました法科学鑑定研究所に。
ここは警察だけではなく官公省庁、裁判所に大学に自治体、企業そしてマスコミなどなど、数多くの現場から依頼されるDNA鑑定、偽造文書鑑定、筆跡鑑定、画像解析、交通事故鑑定、そして指紋や掌紋の鑑定を行なう研究機関。すなわち、民間からでもいろいろとお願いできる科捜研のような存在&指紋マスターの住まう場所!
お話をうかがったのは、鑑定審査室の冨田光貴さんです。いろいろ教えてください!
冨田さんによると「指紋には大きく分けて渦状紋(渦巻き形状)、蹄状紋(馬の蹄に似た形状で、三角州の模様もある)、弓状紋(弓なりの線で構成されている)の3つの模様の組み合わせとなります。そして指紋の端点と線の方向、線の分岐点などの位置関係によって個人を特定できます」とのこと。
歴史上初めて指紋による個人識別の研究を行なったのは、1843年生まれのイギリスの医師、ヘンリー・フォールズ先生です。1874年に医療宣教師として日本にやってきたヘンリー先生は、日本の捺印文化や貝塚から発掘された土器に残された指紋から、指紋の研究を行なったそうです。
1880年、ヘンリー先生は科学誌「ネイチャー」で「指紋による科学的個人識別に関する研究論文」を発表しました。1902年にはアルゼンチン警察が犯罪捜査に指紋識別を取り入れ、日本でも1911年に指紋法が導入されました。
「指紋が個人の特定に使えると分かってからは、多くの研究者がさまざまな研究を行ないました。ヘンリー先生が論文を発表してから100年以上が経ちますが、指紋は犯罪捜査の王道として今でも使われています」(冨田さん)
個人差はあれど、指紋は子どものころから老人になるまで基本的には変わりません。指紋の形は皮膚の内側にある血管や神経組織などの凸凹が作り出すもので、たとえ皮が剥がれたとしても、皮が再生すると指紋の形状も回復します。内部組織を大きく欠損するような事故でもなければ元通りになるんですって。
「せっかくですから指紋を採ってみましょうか」
冨田さんのご提案でまさかの展開! どのように指紋鑑定を行なっているのか、その一連の流れを見せてもらえることになりました。
ペットボトルに付いた指紋を粉末法で調べる
まずは検出用の指紋を付けるため、ペットボトルをぎゅっと握りしめ。
そこに、指紋の水分・脂肪分を鮮明に浮き立たせられる指紋検出専用のマグネティックパウダーを塗布していきます。
ピカッ!と色付きライトを当てると…
こんなにも赤裸々に! お恥ずかしい。
紙片についた指紋を採取する流れも見てみましょう。
フローそのものは一緒。素材によっては液体の検出試薬を用いて化学反応を見ていく液体法、瞬間接着剤の素材を霧状にして吹きかける噴霧法も使うそうです。
指紋も掌紋もばっちりクッキリです。いやぁお恥ずかしい。
しかしマグネティックパウダーを塗布して、余計なパウダーを落として、ライトを当てるまでの時間、1~2分です。こんな短時間でバレバレになってしまうものなんですね。
ちなみにこちらが指紋採取に使う道具たち。先ほどのマグネティックパウダーやアルミパウダー、粉末を払う筆やハケなどがそろっています。さまざまな色のアルミパウダーがありますが、指紋が付着した部分の色や模様に合わせて使い分けるそうです。
R17 Neoの的確な指紋認証力
指紋と、指紋判別に関するTIPSをたくさんお聞きした上で、改めて「R17 Neo」をチェッキング。
冒頭にも書いた通り、ディスプレイに現れる指紋マークに指を乗せると素早くロック解除。認証速度は想像以上に速くて快適です。本当に生態認証しているの?と思ってしまう速さですが、他の指を載せてみると無反応。ディスプレイ下のセンサーがしっかりチェックしているんですね。
本体代金3万円台で手に入る未来がここに
日本初お目見えとなったディスプレイ指紋認証システム搭載機「R17 Neo」は、 UQ mobileから発売されます。気になるお値段は本体代金3万8988円とリーズナブル。さらに、UQ mobileのプランを組み合わせることで実質負担額がさらにリーズナブルになる模様。スペックを見るとSoCにSnapdragon 660、RAMは4GB、ストレージは128GBで、ミドルレンジのモデルとなります。
しかし、ノッチが小さく画面占有率91%のベゼルレススタイル6.4インチディスプレイや、光の反射により輝きにバリエーションをつける塗装、AIインテリジェントデュアルカメラの搭載、OPPOの独自OS「ColorOS 5.2」により電源ボタン長押しで「Googleアシスタント」を起動可能などなど、外側内側両面合わせてアッパーミドルなクオリティに見えるんですよ。
大事なことだからもう一度書きますね。お値段は本体代金3万8988円、さらにUQ mobileのプランを組み合わせることで実質負担額がさらにリーズナブルに。コストパフォーマンス重視の方にとってはいい選択肢となるはず!
Source: OPPO R17 Neo