世界規模のお祭りに乗り遅れるな!
映画の興行収入だけで累計で180億ドル(約2兆円)という信じられない記録を叩き出し、『スター・ウォーズ』をも超えてハリウッド史上最高の映画シリーズとなったマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU、マーベルの作品群)。
4月26日(金)に公開されるシリーズ最新作『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、MCUがスタートしてから約10年の歴史の集大成であると同時に新章の幕開けともなる作品と言われていて、公開されればきっと世界中を巻き込んだお祭り騒ぎとなることでしょう! そういえばかつて日本でも『アベンジャーズ』第1作目の「日本よ、これが映画だ。」っていうキャッチコピーが話題になりましたよね。
しかし中にはマーベル映画は全然見てないけど、なんだかちょっと気になっているという人も少なくないはず。そこで今回は、マーベル作品を未見でも『エンドゲーム』が楽しめるようになる5つのポイントをご紹介いたします!
(ちなみにそのために『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』までのネタバレがある内容となっていますので、ご注意ください。ネタバレが気になる人は今すぐ映画を見始めて!)
1.『エンドゲーム』はヒーローたちが大敗した『インフィニティ・ウォー』の後編!
前作『インフィニティ・ウォー』は、アベンジャーズが最凶の敵サノスに敗北し、登場するヒーローの半数が消滅という衝撃的なエンディングでした。『エンドゲーム』は発表当初『インフィニティ・ウォー』パート2という仮題が与えられていた作品で、前作との繋がりはとても強いものとなっています。
なのでまずはその『インフィニティ・ウォー』が一体どんなストーリーだったのか、ごくごく簡単におさらいしておきましょう。
あらすじ
これまで暗躍を続けていた狂える最凶最悪の敵サノスがその姿を現し、6つの「インフィニティ・ストーン」を銀河の各地から次々と自らの手で強奪。彼の目的は、インフィニティ・ストーンをすべてそろえ、「全宇宙の半分の生命を滅ぼす」というもの。
最強のヒーローチームである「アベンジャーズ」は、インフィニティ・ストーンをサノスの魔の手から守るために戦いを始める。しかし、最後までその力を結集することができず、あと一歩のところで強大すぎる敵に敗れてしまう。
こうしてすべてのインフィニティ・ストーンをそろえたサノスは、「宇宙の生命を半分にし不均衡を正す」という悲願を達成した。宇宙の住人の半分は、多くのアベンジャーズたちを含め、灰となって消滅。サノス自身は遠く離れたどこかの惑星へ瞬間移動し、静かに勝利の余韻に浸るのだった。
要は「最強の敵がやってきて、ヒーローたちの半数が消滅し、敗北して終わる」という、今までのヒーロー映画では考えられなかった衝撃的かつ画期的な作品。もし、もし149分だけ時間が取れそうだったら、この『インフィニティ・ウォー』だけは観てから劇場に行くことを強くオススメしたい、そんな映画です。
一気にあらすじを紹介しましたが、固有名詞がたくさん出てきてよくわからないはず。というわけでこれからより具体的に紹介していきます。
2.サノスって誰? なんでそんなに強いの?
まずは、恐るべき計画を達成したサノスとは何者なのか。簡単に言ってしまえば、MCU史上、最強の敵。彼は「世界を救うために宇宙全体の生命を半減させる」という思想のもと、アベンジャーズと戦いを繰り広げます。
彼の危険な思想は、自分の母星タイタンが人口過密によって滅亡したという過去に起因するものでした。そこから彼は宇宙全体もこのままではタイタンと同じように崩壊すると考え、世界の均衡を保つために宇宙全体の生命を半減させるという壮大な計画を実行しました。そのサノスの計画に必要だったのがインフィニティ・ストーンだったのです。
インフィニティ・ストーンとは?
インフィニティ・ストーンは宇宙の誕生よりも前に存在した特異点が宇宙の誕生の際に結晶化したもの。全部で6つあり、それぞれが別々の場所で守られていた。
・空間を司り瞬間移動を可能とする「スペース・ストーン」
・精神を司り心を操る「マインド・ストーン」
・ 宇宙を無にできるパワーを秘めている「リアリティ・ストーン」
・時間を司りそれを操る「タイム・ストーン」
・力を司り惑星をも吹き飛ばす力を持った「パワー・ストーン」
・魂を司る最強の「ソウル・ストーン」
サノスはその強大な力を利用するため、かつてソーの武器「ムジョルニア(落としたら地球が滅びるくらい強い)」を作ったドワーフたちを脅して「インフィニティ・ガントレット」と呼ばれる6つのストーンのパワーを結集できるグローブを作り出しました。このグローブは、ストーンを揃えた状態で指をパチンと鳴らすだけで、宇宙の生命を半分にできるという強力すぎるアイテム。最終的にすべてのストーンを集めたサノスは、そのグローブを使って宇宙の生命を半分にしたのでした。
という感じで、サノスは宇宙を支配するとかいう利己的な目的を持っているわけではなく、世界のために残酷な手段をとっているという歪んだ考えの持ち主。また、こんな計画を実行できるだけの優れた頭脳だけじゃなく身体もかなり巨大で、アベンジャーズ屈指の力を持つハルクをも簡単に倒す凄まじい力と戦闘能力を兼ね備えています。
ちなみにサノスは『インフィニティ・ウォー』にいきなり登場したのではなく、その初登場は『アベンジャーズ』第一作目のラスト(スタッフロールのあと)。一瞬しか登場しませんでしたが、それ以降少しずつ姿を現し、宇宙の各地でインフィニティ・ストーンを集める準備をしていることが語られていました。かなり用意周到なんです。
とにかく、そんなサノスはマーベルの歴史の転換点となる作品の敵役にふさわしい、凄まじいキャラクター。アベンジャーズの面々が負けても不思議ではないと同時に、映画全体を引っ張る魅力的なヴィランとなっています。
3.もう戻ってこないの…? サノスに消されたヒーローたち
先程も書いた通り、サノスがインフィニティ・ガントレットで指を鳴らしたことによって、ヒーローたちもまたその半分が消滅しました。さらにインフィニティ・ストーンを守る過程でも多くのヒーローが倒れており、その被害は甚大。中には単独作品をもつ大物ヒーローたちも容赦なく倒されてしまう、衝撃の展開でした。
70人近くのキャラクターが出てくる映画だったので、消滅した人たちを全員を羅列すると長くなってしまうので割愛しますが、ストーリーに深く関わりそうなキャラクターをいくつか紹介していきます。
ドクター・ストレンジ
まず知っておいてほしいのは、ドクター・ストレンジ。彼は外科医から転向し秘境で魔術を学び、その才能を発揮して「至高の魔術師」と呼ばれるまでになった人類最強の魔術の使い手。
「アガモットの目」というペンダントに格納された「タイム・ストーン」を使って時間を操り、外敵からストーンを守っていたのですが、サノスとの戦いの中で追い詰められ仲間の命と引き換えに最後にそれを明け渡し、その後に消滅してしまいました。
しかし実は、戦いの前に彼は「タイム・ストーン」を使ってあらゆる未来の可能性を見ており、1400万605通りの中からたった1つだけサノスに勝つ未来を見つけ出していました。果たして『インフィニティ・ウォー』で展開された話がその「勝つ未来」だったのかどうか。『エンドゲーム』で注目しておきたいところです。
スパイダーマン
蜘蛛に噛まれたことで特殊なパワーを得たスパイダーマンことピーター・パーカーも灰となり消滅。若手であっても容赦がありません。
ただ、スパイダーマンは次の単独映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』がすでに決定しており予告編も公開されているので、もしその舞台が『エンドゲーム』後の世界だとしたら一体どうやって復活を果たすのかにも注目しておきましょう。
ニック・フューリー
アベンジャーズというチームを作った張本人でもある、 国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.(シールド)の元長官ニック・フューリーもサノスによって消されてしまっています。
彼は今までの映画でどこからともなく登場し、ヒーローたちを危機から救ったこともある人物。『インフィニティ・ウォー』ではサノスによって消滅させられてしまう間際に、新ヒーロー「キャプテン・マーベル」を呼び出していましたが、果たしてどういった形で登場するのかはお楽しみに。
4.サノスに復讐するのはこいつら! 生き残ったヒーローたち
なんと言っても注目は、生き残ったヒーローたちがこの苦境にどう立ち向かっていくのか。実はその大部分が『アベンジャーズ』第1作目のメンバーなのです。まずは彼らが何者なのかをさらっと紹介しておきましょう。
最初期のアベンジャーズは、以下の6人からスタートしました。
アイアンマン/自ら開発した最新鋭のパワードアーマーで戦う天才発明家にして実業家。本名はトニー・スターク。
キャプテン・アメリカ/第二次世界大戦の時に人体実験の結果、超人化したヒーロー。高い知能と強靭な肉体を持っている。本名はスティーブ・ロジャース。
ハルク/キャプテン・アメリカの超人血清を再現しようとした事故が原因で、感情が昂ぶると変身する緑の巨人のヒーロー。変身するのは科学者ブルース・バナー。
ソー/遠く離れた惑星アスガルドからやってきた雷神。最強の武器、ハンマー「ムジョルニア」を持っている。
ブラック・ウィドウ/国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.のエージェントで諜報活動していた超一流の暗殺者。本名はナターシャ・ロマノフ。
ホークアイ/同じくS.H.I.E.L.D.のエージェントで弓の達人。スーパーパワーを持たないが、すぐれた洞察力で活躍する、史上最高のスナイパー。本名はクリント・バートン。
かつて共に世界を救ってきた彼らが再集結して戦うのはストーリーとしても見どころとなりそうですが、『アベンジャーズ』第1作目へのオマージュでもある感じとなっていて、メタ的にも非常に熱い展開となっています。
ちなみにホークアイは『インフィニティ・ウォー』には登場しませんでしたが、どうやら『エンドゲーム』までの間に独自の活動をしていた様子。そのへんのストーリーも要注目。弓矢だけでスーパーパワーに対抗していく常人のヒーローとしてのカッコよさがあるキャラなので、ぜひ大活躍していただきたい。
アントマンが物語の鍵を握るかも?
またアベンジャーズ以外で紹介しておきたいのがアントマンことスコット・ラング。彼は体の大きさを自在に変えられるスーツを使って巨大化・縮小化して戦う元泥棒/エンジニアのヒーロー。
彼は今までの映画で縮小化をし続けることで到達できる「量子世界」という場所を訪れていました。この量子世界はまだ未知のところがたくさんあるようですが、どうやら時間と空間の法則が我々が住む世界とは大きく異なる空間である様子。もしかすると、これが世界を救うカギになるのかもしれません……!
とにかく『エンドゲーム』は、こうして残されたヒーローたちが、倒れていった仲間、そして消された宇宙の生命のためにアベンジ(逆襲)をするという物語。強い絆で結ばれた仲間を救うため、別々のチームやヒーローが新たな絆を結ぶという展開が熱いのです!
ファンとしても10年かけて大好きになったキャラクターたちを消されてサノスを許せるわけがないので、頑張って欲しいですね!
5.仲違いしてたキャプテン・アメリカとアイアンマンはどうなるの?
絆といえば、キャプテン・アメリカとアイアンマンの関係がどうなるのかというのも今作の見どころとなっています。実は彼ら、ずっと仲違いしていたんですよね。
いままでの2人は、世界を救うということへの思想や手段が異なるものの、その違いを乗り越えてアベンジャーズとして共に戦ってきていました。
しかし、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で描かれた一連の事件で彼ら2人は完全に対立し、結果としてアベンジャーズ全体が二分し、同士討ちにまで発展してしまいました。
ところが、その映画のラストでキャプテン・アメリカは万が一の時に備えてアイアンマンに連絡用の携帯電話を渡しており、『インフィニティ・ウォー』ではトニー・スタークが電話をかける直前まで行くも、実際に連絡をすることはありませんでした。
そればかりか2人はそれぞれ宇宙と地球の別々の場所で戦いを繰り広げることとなり、『インフィニティ・ウォー』の終わりの段階ではトニー・スタークは宇宙に取り残されてしまっています。果たして彼らはどうやって再会を果たすのか……。
『インフィニティ・ウォー』でキャプテン・アメリカは長年の親友バッキー・バーンズと新しい相棒ファルコンことサム・ウィルソンを、アイアンマンは師弟であり親子のような関係だったスパイダーマンが眼の前で灰になっていくのを見ており、2人とも今までにないほどの深い心の傷を負ったはず。
そんな2人がまた再会し、仲間として共に戦うという熱い展開が楽しみで仕方ないのです!
『エンドゲーム』の監督は2人の対立を深めた張本人
実はこの『エンドゲーム』の監督を務めるルッソ兄弟は、政治スリラーとしても高い評価を得た『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』からMCUに参加し、続く『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、そして『インフィニティ・ウォー』とキャプテン・アメリカの物語をカッコよく描き続けると同時に、その中でトニー・スタークとの対立をより強めさせた張本人。
ということもあって、キャプテン・アメリカには並々ならぬ愛情を感じる作風でもあり、ここまで広げた風呂敷をぜひ畳んでくれるに違いないと信じています。めちゃくちゃな数のキャラクターが出てきますが、どれもうまくまとめてきたルッソ兄弟ならきっとできるはず。正直、映画のエンディングよりここがどうなるのかが気になりますよ!
こんな具合で10年を超える歴史をもつ映画シリーズのひとつの終着点ということもあって、長々と語ってしまいましたが、この5つのポイントだけは押さえておけば、『エンドゲーム』もきっと楽しめます。
1.『エンドゲーム』はヒーローたちが大敗して終わった『インフィニティ・ウォー』のその後が描かれる!
2.サノスはインフィニティ・ストーンを使ってヒーローの半数を消し去った最凶の敵!
3.サノスに消されたヒーローたちが残していった手がかりに注目!
4.生き残ったヒーローたちはアベンジャーズのオリジナルメンバー! でも鍵を握るのはアントマンかも?
5.キャプテン・アメリカとアイアンマンは仲直りするのか、しないのか!?
集大成であり新章のスタートラインでもある今作ですが、とにかく今世界で最高に盛り上がっているシリーズの超大規模なお祭りでもあるのです。
今まで全然観ていなくても、『エンドゲーム』で気になったキャラクターから映画を観てみるなんて楽しみ方もできるでしょう。
ヒーローが絆を武器に強大な敵に挑む復讐戦をぜひ劇場でご覧ください!
Source: 映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト, YouTube