どうやってAIと共存したらいいですか? って聞いてみようか。
MBAの最終試験で合格点!
ペンシルバニア大学ウォートンスクールにいるクリスチャン・ターウィッシュ教授はChatGPTの学力を図るべく、経営学修士課程(MBA)の最終試験を受けさせてみました。すると、見事合格点をとったそうです。
ターウィッシュ教授は先週、調査結果として報告書を発表。ChatGPTはMBAにB-からBというスコアで合格したことを明かしました。
でも小6の算数は苦手
さらに、最新AIボットの得意分野と苦手分野などの傾向を3つの項目にして説明。それによると、ChatGPTはケーススタディに基づく自由形式の問題で好成績を獲得。でも、小学6年生レベルの算数は苦手なようで「10の倍数を間違えるなど、驚くようなミスをする」とのこと。
さらに複数の製品を含むプロセスフローや、需要の変動といった確率的影響をはらんだものを含む「プロセス分析」の問題は処理できなかった様子。
ただ、人間の学生同様、教授に質問してヒントをもらうことで結果がよくなることもわかりました。
今回のテスト結果は、試験ポリシーの必要性や人間とAIとのコラボに注目したカリキュラム設計、現実世界の意思決定プロセスをシミュレーションする機会、クリエイティブな問題解決法を教える必要性、教育の生産性向上などなど、ビジネススクールの教育にとって大きな意味合いを持ちます。
とターウィッシュ教授は記しています。ターウィッシュ氏はペンシルバニア大学ウォートンスクールの教授であり、マック・イノベーション・マネジメント研究所の研究員でもあります。
できることとできないことを見極めて使おう
同氏は自身の研究結果にもとづき、ChatGPTは教育にとって貴重なツールになり得るものの、教育者や管理者は「AIにできることとできないこと」を見極めたうえでカリキュラムに組み込む必要があると主張しています。
また、ChatGPTが基礎的な知識を簡単に習得できるにしても、やはり学生は幅広い科目の基礎を知らなければ成功することはできない、と考えを述べています。
私の教育観をいえば、小学生は7×7=49を学び、ペンシルベニア州の州都がどこなのか(ハリスバーグ)言えるようにならなければなりません。50年以上前から電卓が広く使われていても、Google(グーグル)やWikipediaで何でも調べることができても、それは変わりません。
ChatGPTは、科学者でも人間か機械と区別がつかないような論文を書き、ホリデーパーティーを計画し、ギズモードの記事まで書いちゃうほど多彩なツールです。
それでも、高等教育の場でどんな役割が果たせるのか、それは未知数です。
ChatGPTを運営するOpenAI「学校も時代に合わせる必要がある」と言っていますが、ニューヨーク市教育局のように、カンニング防止のためAIを禁止している学校もあるようです。