ODAで学校建設、3校中断 フィジー、3500万円提供―検査院

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 政府開発援助(ODA)の一環として、途上国に学校などの整備資金を無償提供する事業で、2018~20年度に計約3500万円を贈与したフィジーの3事業が完成しないまま中断していたことが19日、会計検査院の調査で分かった。現地大使館は進捗(しんちょく)状況を把握していなかったといい、検査院は外務省に対し確認を徹底するよう求めた。
 検査院が検査したのは12~20年度にヨルダン、タイ、フィジー、ネパールの4カ国で実施された29事業。学校や公共施設に対して計125億円が提供されたが、うちフィジーの小学校3校で工事が中断されたままになっていた。
 うち1校の新校舎整備事業では、予定になかったホール建設に流用されて資金不足に陥っていた。他の2校では、前払い金などを支払った後で、施工業者と連絡が取れなくなっていたという。いずれも提出が義務付けられている中間報告書が出されていなかったといい、検査院は、大使館による確認が不十分だったと指摘した。
 外務省の担当者は「指摘の内容は事業の効率化や適切な実施に必要だと考えており、改善していく」とコメントした。

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