知事の公用車どうする? 「センチュリー」は立候補予定者全員が反対 兵庫県知事選

2021/06/26 15:00

兵庫県議会の議長公用車のセンチュリー。県知事も同型=兵庫県庁

 昨秋、にわかに注目された兵庫県知事の公用車「センチュリー」問題。先代の「レクサス」から車種のランクを最高級車に上げてリース料が高額になり、批判が集まった。井戸敏三知事の任期満了に伴う県知事選(7月1日告示、18日投開票)の立候補予定者5人に聞くと、「公用車=センチュリー」には全員が否定的だったが、知事公用車についての考えは分かれた。(まとめ・上杉順子) 関連ニュース 神戸市幹部3人、職務中に演説会で「ガンバロー」拳突き上げる 人事課が注意 兵庫県知事、飲食店の制限は段階的緩和へ まん延防止解除後「直ちにゼロには戻せない」 「大阪との県境に壁」発言巡り、兵庫県知事「例えを取り上げられ心外」

 知事選には前大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)=自民、維新推薦=と元兵庫県議の金田峰生氏(55)=共産推薦、前県副知事の金沢和夫氏(64)、元加西市長の中川暢三(ちょうぞう)氏(65)、音楽塾経営の服部修氏(47)が立候補を表明している。
 13日に神戸新聞社などが開いた公開討論会には、服部氏を除く4人が出席。「〇」「×」の札で答えるコーナーでは、質問「知事公用車にセンチュリーは必要だ」に対して全員が「×」を掲げた。公開討論会後に立候補を表明した服部氏も神戸新聞の取材に「グレードが高すぎる」と反対した。
 では、乗り換えるならどんなタイプがよいか。斎藤氏、中川氏と服部氏は具体的なイメージを語った。
 斎藤氏は「ワンボックスタイプがいい」とし、その理由を「災害など有事の際にも、車内でウェブを使った会議や打ち合わせがすぐにできないといけない。『移動知事室』になるようなタイプ」と述べた。
 中川氏は「安全性の問題もあり、表面的な批判は感心しない」としながら、「スズキのソリオ。5人乗りのハイブリッド車で燃費もいい」と具体名を挙げ、「随行員が多い場合は県のマイクロバスなどを使う」とした。服部氏は「車内で簡単な会議ができる、トヨタ・アルファードのようなミニバンがいい」と答えた。
 一方、金沢氏は車種についての言及は避けた。「自分の好みで選ぶことはない。井戸知事もそうだが組織として決めることだ」。その上で「別の車に変えるなら、県に財政的な損失を与えてはいけない。外国の要人も乗せる公用車のふさわしい在り方について議論がいる」と指摘した。
 金田氏は、専用車は不要という立場。「知事公用車は廃止できるならすべきだ。違約金を払っても安い車種にする方がコストを抑えられるのでは」。乗り換えるなら、と聞かれて電気自動車などを挙げつつ「公共交通機関での移動を基本に検討したい」と話した。
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 兵庫県知事選の立候補予定者の公開ウェブ討論会は電子版「神戸新聞NEXT」で視聴できます。
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 【兵庫県知事と県議会議長の公用車】県は2019年8月の更新時、それまでの「レクサス」からトヨタの最高級車「センチュリー」に変更した。7年間のリース契約の総額が2台合計約4200万円になり、従前7年間との比較で消費税増税分を含め約1400万円負担が増えた。県によると、慣例的にセンチュリーを使っていたが、前回更新時にはハイブリッド車(HV)タイプがなかったためレクサスを選び、今回はセンチュリーのHVに戻したという。井戸敏三知事は「兵庫は県土が広く、山道走行も多い」点に触れ、高い走行性能や安全性、環境性能などを選定理由に挙げた。

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