私が結婚する時、結婚に関する掲示板で「新しい香水を買って、結婚式の日に初めて使うといい」というアドバイスを読みました。

その後、その香水を使う度に、香りが結婚式の日のことを思い出させてくれるからです。

香りを記憶に利用するメリットは?

香りというのは、とても強力に記憶を呼び起こすものなので、そのアドバイスは納得でした。

特定の石鹸の匂いで、お祖母ちゃんの家を思い出したり、乾いた枯れ葉の匂いで、子どもの頃の家の裏庭で、枯れ葉の中に飛び込んで遊んでいた7歳の自分に戻ったような気になります。

Psychology Today」によると、これは以下のようなメカニズムです。

鼻に入ってきた匂いは、鼻の内部から脳の下部に沿ってある嗅球で最初に処理されます。

嗅球は、感情と記憶に強く関与している脳の2つの領域、「へんとう体」と「海馬」と直接つながっています。

面白いことに、視覚、聴覚(音)、触覚の情報は、脳のこの領域を通っていません。

だから、おそらく嗅覚は他の感覚よりも、感情と記憶を呼び起こしやすくなっているのでしょう。

悲しい記憶も香りが呼び起こす

残念ながら、逆のことが起こるのもまた事実で、匂いによって嫌な記憶を思い出すこともあります。

特定の花の香りによって辛く悲しいお葬式のことを思い出したり、芳香剤の匂いでひどい交通事故の記憶を思い出したりします。

このことはあまり避けられませんが、積極的に新しい匂いを、生涯に渡って楽しい思い出となるような、娘の卒業式や初めてのイタリア旅行などの記憶と紐付けようとすることはできます。

思い出に残したい出来事には、新しい香りを纏おう

アドバイスを参考に、私は結婚式の数日前に新しい香水を買いました。

結婚式当日と翌週の新婚旅行の間、その香水をつけていました。家に帰り、その香水は数カ月しまいこんでいました。

その後、10年後の今でも、私はその香水をつけると毎回、カボのリゾートホテルのバルコニーに立ち、プール越しにヤシの木やビーチ、はるか先の海を見ていたことを思い出します。

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Meghan Moravcik Walbert - Lifehacker US[原文