サッカー界に激震、ドイツW杯のブラジルvs.ガーナ戦での八百長告発。

2008/09/05 23:39 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


決勝戦でのPK戦の末、イタリアの優勝(24年ぶり4度目)で幕を閉じた2006年のドイツW杯。あれから2年の月日が流れたいま、カナダのスポーツジャーナリスト、デクラン・ヒル氏が記した一冊の書籍が、サッカー界に激震を走らせている。その内容はドイツW杯の舞台で八百長が行われていたというもの。また、ブンデスリーガや2007年に中国で開催された女子W杯についても八百長が行われたと指摘するなど、サッカー界の暗部に切り込んだ内容だ。

この書籍は「Sichere Siege(英題:The Fix: Soccer and Organized Crime)」。日本語にするとズバリ「八百長:サッカーと組織犯罪」という過激なタイトルだ。9月2日にドイツでの発売開始に先立ち、ドイツ誌「デル・スピーゲル」に一部を抜粋した記事が掲載されたことで騒動に火が付いた。

「デル・スピーゲル」に掲載されたのは、ドイツW杯の決勝トーナメント1回戦(ベスト16)、ブラジルvs.ガーナ戦での八百長疑惑。記事によると、ガーナのGKキングストン選手が、東南アジアの賭博組織が黒幕の八百長に加担し、「2点差以上でガーナが負ける」という意図に沿うよう、ブラジルに3点取られて負けたのだという。また、ドイツW杯ではほかに、同じ決勝トーナメント1回戦のイングランドvs.エクアドル戦、1次リーグのイタリアvs.ガーナ戦でも選手が買収され、八百長が行われていたと指摘している。

この手の告発本は信憑性に疑問符が付くものが多く、大した話題にもならずにスルーされてしまうケースも珍しくないが、デクラン・ヒル氏は4年間をかけて200人以上の関係者にインタビューを実施するなど、丁寧な取材活動を経て同書を執筆していること、また、ドイツやエクアドルのサッカー協会、そしてFIFAのブラッター会長も調査を示唆していることなどから、同書がサッカー界が抱える問題の核心を突いている可能性もある。

2006年にセリエAで起きた大規模な八百長事件をはじめ、サッカーと闇組織、そして八百長の関係は常に取り沙汰されている問題。W杯というサッカー界最高峰の舞台で本当に八百長は行われていたのか。今後のFIFAや各国協会の調査に期待したいところだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.