巨人鍬原開幕ローテ生き残り、炭谷助言で4回1失点

6回から登板し4イニングを3安打1失点と好投する巨人鍬原(撮影・清水貴仁)

<オープン戦:阪神4-4巨人>◇8日◇甲子園

巨人鍬原拓也投手が開幕ローテーション争いに待ったをかけた。

阪神とのオープン戦の6回から2番手で登板。テンポのいい投球で4回3安打無四球1失点と結果を残した。「最後のイニングだけが納得するようなボールが投げられたかなと思う」。味方の失策で出塁を許したが、無安打に抑えた9回を収穫に挙げた。

捕手を務めた炭谷の助言でコツをつかんだ。8回終了後、配球について話し合った。「安易にストライクを取りにいかない。最悪のリスクを考えて、絶対してはいけないことを考えた」。右打者に対して直球であれば、外から内にシュート回転して入らないようになど、慎重に組み立てた。

2軍からはい上がった。開幕ローテの一角として期待されながらも、2月18日のロッテ戦で3回4安打3四死球2失点と結果を残せず2軍で再調整。その際、杉内2軍投手コーチと取り組んだのは曲がり幅の違う2種類のスライダー。「いいボールもあればまだまだ抜けるボールもある」とモノにできたわけではないが、曲がり幅の小さいスライダーを覚え、引き出しを増やした。

一時は脱落したかと思われた開幕ローテ候補に生き残った。同候補の畠が右肩周辺の肉離れで離脱し、高橋は疲労でペースを落としている。与えられたチャンスで結果を残した右腕に対し、宮本投手チーフコーチは「魅力を感じた。吉報がいくと思う」と評価した。昨秋からサイドスローに転向し約4カ月。「まだ100%とはいえないけど、自分のフォームにしていきたい」と鍬原。17年ドラ1が逆転で切符をつかみ取る。【久永壮真】

 

▽巨人原監督(鍬原について)「とてもいいですね。自分の投球、攻めるピッチングができている気がしますね」