プロ野球独立リーグ、BC新潟の新人・奥田昇大捕手(22=立正大)は“レジェンド”の背番号を背負って4月11日の公式戦開幕を待つ。新潟在籍時に2年連続本塁打王(08、09年)になった青木智史氏(40=立正大コーチ)の背番号「56」だ。大学の4年間は師匠と弟子の間柄。大きな背番号をさらに輝かせるため、1年目から奮闘する。

奥田はシーズンを一緒に過ごす投手たちのデータを集めている。新潟に引っ越してきたのは2月18日。自主トレで、ボールを受ける投手の特長をノートに記してきた。「カウントを取る変化球、決め球なども書いている」。小野竜世投手(24)前川哲投手(23)、同じ新人の古田青依投手(22)らの投球スタイルはすでに把握した。立正大の卒業式は新型コロナウイルス感染対策のため中止になったが、最初から野球優先。卒業証書は実家に郵送される手続きを取って、新天地に乗り込んできた。

「偉大な背番号を背負わせてもらうから、結果をサポーターに求められると思う」。BC新潟の背番号56は08、09年にBCリーグで2年連続本塁打王となり、立正大でコーチを務めていた青木氏が背負っていた。栄光の背番号を受け継ぐ奥田は大学でその師匠から「思っている以上につらく、思い通りにいかない。それを乗り越えろ」とアドバイスを受けた。身長170センチと小粒ながら長打力には自信がある。スタイルは師匠と同じだ。

目標はNPB入り。道のりが険しいのは分かっている。大学の1年先輩には楽天小郷裕哉外野手(23)とDeNA伊藤裕季也内野手(同)とNPB入りした2選手がいた。NPBのドラフト指名を受ける選手の実力は間近で見て、感じてたものがあった。「2人のレベルを見ているとまだまだ、と痛感する」。だからこそ新潟でレベルアップを図る。「試合に出ること。出ないと上に行けない」。キャンプインは14日で、リーグ開幕は4月11日。奥田はまず、正捕手の座を目指す。【涌井幹雄】

◆奥田昇大(おくだ・しょうだい)1997年(平9)6月22日神奈川県生まれ、東京・町田市育ち。埼玉・本庄第一高から立正大に進学。野球は小学1年からリトルリーグで開始。高校入学後、背番号5の三塁手兼投手。捕手を本格的に始めたのは高校3年の春から。大学では控え捕手で、昨年11月の合同トライアウトにおける特別合格選手でBC新潟入り。右投げ右打ち。170センチ、80キロ。

◆青木智史(あおき・ともし)1979年(昭54)9月10日生まれ、神奈川県出身。小田原高から97年ドラフト6位で広島入団。1軍出場なく00年に退団。セガサミーなどを経て、08年にBC新潟に入団。コーチ兼任を含めて14年までプレーし、16年から立正大野球部コーチ。現役時代は188センチ、86キロ。右投げ右打ち。